のだめカンタービレ3
- 601 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/05/31(火) 01:07:21 ID:04spPzHg
- >>543
- 602 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/05/31(火) 01:19:21 ID:04spPzHg
- >>543 GJ!
面白かったけど、なんか詰め込みすぎ感があるよ
漏れだったら「朝」の部分はカットするな
あと、エロをもっとリアルに書ければ決作になったのにな
笑いも・・・無理しないほうがよかったのでは?
次回作、期待してます
- 603 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/05/31(火) 01:40:49 ID:+4vcEX7U
- はぁ!?
「朝」の部分いるー
あの表紙はやっぱり?って楽しめたし
あと、600がどの程度のエロ求めてるか知らんけど、結構リアルかと‥
そして、エロ無くても楽しめるssだとオモ
- 604 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/05/31(火) 02:32:55 ID:ccMe5RHc
- そうそう!すっごく面白かったよ!
543さん、次回も期待していますね!
- 605 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/05/31(火) 10:15:50 ID:bj3cNWBQ
- リアルか否かは、その人の現実と比較しての事だから
>>602にとってはリアルじゃなかったんだろ
でもエロいか?って言われれば、エロいと思う
私もたまにSS書くけど、ノーマルH書くのって結構難しいよ
読み手も読み飽きてるところあるし
だけど>>543さんは、のだめのドキドキ感を伝えつつ・・・
よく書けてると思う。GJ!
- 606 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/05/31(火) 10:47:32 ID:bj3cNWBQ
- ところで、ここのSSは保管庫に保管しないのですか?
最近のだめを読み始めて、SS読みたいんだけど前のは読めないよね?
どっか別の所に保管してあるのかな?
このスレからでも保管庫に入れてみてはいかがですか?
あれだったら、私依頼してみましょうか・・・とでしゃばってみたり
- 607 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/05/31(火) 11:16:14 ID:bRsfc2hs
- >>1
- 608 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/05/31(火) 11:55:02 ID:bj3cNWBQ
- ありがと・・あったんだねスマソ
ちなみに私が提案したのは「SS保管庫」です
SS投下されたら保管してくれるって処
- 609 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/05/31(火) 12:32:08 ID:bRsfc2hs
- 2ちゃんねるアップローダー
- 610 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/05/31(火) 12:32:26 ID:bRsfc2hs
- すみません、誤爆。
- 611 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/05/31(火) 13:46:47 ID:HbtXotq0
- ……。
以前の神々はもういらっしゃらないのでしょうか…?
寂しくなりましたね。
- 612 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/05/31(火) 14:08:45 ID:bj3cNWBQ
- ね。と言われても
- 613 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/05/31(火) 15:21:47 ID:eFSFCQBK
- のだめの0721まだデスか?
- 614 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/01(水) 09:09:24 ID:cX3rJlH2
- >>543
ぬけましたw
ありがと、GJ!
- 615 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/01(水) 14:05:24 ID:NCJH8lHs
- ここ野郎もくるんだな
- 616 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/01(水) 22:13:47 ID:5rMWLsAd
- 男の人でも、のだめに萌えれるんだね
- 617 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/01(水) 23:20:33 ID:6dQrhrMS
- 0721まだですかねぇ?
- 618 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/02(木) 01:16:39 ID:GezkT+9s
- 出来たら投下してあげるから・・・
急かさない焦らないw
- 619 名前:カルメン ◆WaTXhFbUiY [sage]:2005/06/02(木) 22:32:06 ID:x3+WWoTG
- 峰キヨの甘甘、できました。 今から落としても大丈夫でしょうか・・・?
- 620 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/02(木) 22:41:00 ID:biywjXli
- 大丈夫でーす!頑張って落としてください!
- 621 名前:カルメン ◆WaTXhFbUiY [sage]:2005/06/02(木) 23:02:52 ID:x3+WWoTG
- 峰キヨ 甘々☆(の つもり)
押売コンクール ヴァイオリン部門、不覚にも二位、と惨敗した夜。
荒れて 酒に酔った清良に延々付き合わされたあげく、ホテルに誘われた峰は、
おそるおそる彼女の両肩に手をかけた。
「あの・・・、ほんとに、いいのか・・・!?」
清良はベッドに腰掛け、うつむいたまま、大きく頷いた。
「・・・気持ちわるくないか? 水、飲む?」
「・・うん」
峰は、コップにミネラルウォーターを入れて清良に差し出した。
「ほら」
「龍、飲ませて・・・」
「エ?」
「んー・・」
そう言って彼女は、唇を向けて来た。
これは、本気だ。覚悟、決めなきゃ。ーーいや、ここに来た時点で もう覚悟は固めてんだけど・・。
峰は、左手で自分の唇を一度 ゴシッと拭うと、水を口に含み、そのまま清良にキスをした。
合わさったまま少しずつ、互いの唇を開き、水が、峰から清良へと流れ込んでいく。
清良の白い喉が、美味しそうに ごくりと鳴った。
それを確認して、峰は清良のからだを抱きしめ、ゆっくりとベッドに押したおした。
あ・・・心臓が、早鐘のよーに打ちまくってる・・・・・
- 622 名前:カルメン ◆WaTXhFbUiY [sage]:2005/06/02(木) 23:03:58 ID:x3+WWoTG
-
告白してからいままで、一緒の時間が増えていっても、軽いキスをするのがやっとだった。
手が出せない、っていうか・・・。ホント、いつもの俺らしくなくて。
清良の方に隙がないとかじゃない。俺に、勇気がなかっただけだ。
彼女が眩しすぎて。ヴァイオリンの音色も、さっぱりとした気質も、バランスいいスタイルも。
ドイツ語話せるし、海外でも生活してる・・・ 俺との共通点てなんだろう?
もしかして、派手好きなトコだけ!?
こんなアングルで、彼女の顔を見るのは初めてだけど、凄くきれいだ。
・・・絶対、大事にするぞ。峰龍太郎、命がけで!!
・・・・・
そして、彼女は・・・。
ーーーできるかぎり優しく と努力した俺の愛撫に、かなりくすぐったそうに応じてたのも、
いざ その時になると、身体が堅くなってて なかなかうまく入らなかったりしたのも、
きっと、酔いのせいなンだと思ってた。ーーでも。
- 623 名前:カルメン ◆WaTXhFbUiY [sage]:2005/06/02(木) 23:04:39 ID:x3+WWoTG
-
ふと見た白いシーツに刻まれていた 小さな、痛々しいしるしを発見して、峰は思わず言った。
「えっ! なんで・・・? もしかして、おまえ・・」
清良は、峰を見ないようにクルンと寝返りを打った。
「/// なによ、うるさい。・・そーよ、初めてなの!! 悪かったわね! 」
「清良・・・!! 」
峰は清良を、背中からぎゅっと抱きしめた。
「ヤだ、なによ」
「・・・一生、おまえを大事にするー!! 」
「えっ」
「うわぁー・・・俺、今、すごい感動・・・あー・・清良ぁ・・・」
抱きしめたまま、ゆらゆら左右に身体を揺らして、峰は心底幸せそうな顔をしている。
「俺の最後の女の、はじめての男が俺、ってことだろ・・・あー 幸せだぁ・・・」
「なに言ってんのよ・・・恥ずかしいでしょ///」
「あっ、じゃぁ・・イタかったろ? ゴメンな、優しくやったつもりだったんだけど」
「ちょっとね。でも大丈夫よ」
「これから、だんだん良くしてあげるから!! 」
「もう、バカ・・・」
「ほんとだぜ、もう俺がずーっといるから、これからおまえはどんどん良くなってくンだから。」
ーーーコンクールで優勝できなくって落ち込んでたから、励ましてくれてるの・・・?
「ありがと・・・」
清良は初めて、自分から峰にくちづけをした。
ーーーそうだ、わたしはこの人にずっとそばにいて欲しい。わたしのことを、ずっと見ていて欲しい。
そしてわたしも、見ていたい。今の、そして これからの、龍を。
- 624 名前:カルメン ◆WaTXhFbUiY [sage]:2005/06/02(木) 23:05:20 ID:x3+WWoTG
-
「んっ・・・、な、もう1回、してみる?」
「あ・・・。ウン・・・」
「そー、こなくっちゃー!! 」
ーーーまさか、清良が「初めて」だったなんて、思いもよらなかったから、本当に驚いた。
かなり、がまんしたりして、無理してたんだな、きっと。けなげなヤツ・・。
俺って、俺って、世界一の幸せ者だ。
峰は、時間をかけて清良のからだのすみずみまですべてを、やさしく撫でさすって暖め、また、唇で熱を伝えた。
髪から うなじ、華奢な肩から 長い指先、形のいい胸から つま先...。足指にキスをして、口に含んで、舐めて。
清良は だんだんリラックスしてきて、快感に対して からだがとても敏感になってきた。
「あ・・あっ・・ん、龍・・・ダメ・・なんか・・・触わられただけでビリビリして、・・気持ちいいの・・」
「もっと、感じよう? 清良・・。愛してる・・・」
そっと指を差し入れると、そこは、さっきまでとは違って、ゆたかに とめどなく溢れていた。
「きゃぁっ・・」
びくん、として、峰にしっかり抱きつく清良。
「可愛い・・」
「/// ぁんッ・・、龍ぅ・・もっと・・抱いて・・」
しっかりと肩を抱いて抱きしめて、峰は清良に、深いくちづけで答える。
- 625 名前:カルメン ◆WaTXhFbUiY [sage]:2005/06/02(木) 23:06:08 ID:x3+WWoTG
-
泉の上にある花蕾に触れて、その触れた指を 軽く揺らすと、甘い、高い声が部屋に響いた。
「ああぁん」
「・・すげぇ可愛い、清良・・・。・・・・・挿れさせて・・」
峰は、蕾に指を置いたまま、手をあてがって、清良の泉に自分のモノをゆっくりと入れた。
とたんに、激しい快感と、心の奥まで満ち足りた感覚が、ふたりを包み込む。
さっきとは、全然違う・・。深く、受け入れ合って、ひとつになってる。
ふたりは、お互いの身体をしっかりと抱きしめた。
愛しくて愛しくて、溢れる この気持ちを表現できる言葉が、もう無いから。
何があっても離れないように抱きしめ合って、このひとが必要だ と強く思い、願う。
「龍・・。幸せ・・・。」
「うん。俺も」
峰は すこし身体を持ち上げて、清良の乳房を唇と舌で刺激しつつ、また 指で蕾を触った。
「あ、・・ヤぁ・・・・・」
喘ぐ声とともに、きゅうっ と、泉が窄まる。峰は、たまらなくなって、腰を揺らす。
「う、うーん、イイ・・」
「あ、龍っ、あァっ、あーっ・・・」
清良が初めて迎える絶頂の声を、峰は逃すまいとするかのように、唇のかたちを合わせて。
ふたりは、思いのまま、繰り返し 愛し合った。
全身を覆う けだるさが、やがて 眠りを誘い込む。
- 626 名前:カルメン ◆WaTXhFbUiY [sage]:2005/06/02(木) 23:06:45 ID:x3+WWoTG
-
ほどなく、暗い部屋の中で 清良は眼を覚ました。
ーーーねむれない・・・。
煙草に手をのばし、ライターで火をつける。
ひととき忘れていた悔しさが、またこみ上げてきた。
ーーわたしの演奏は、あんなんじゃない!
もう一度、舞台に立ちたい。
本当のわたしの演奏を 聴いてもらいたい・・!
となりを見ると、無邪気な顔で 幸せそうによく眠っている、峰。
清良は煙草を消して、唇を近づけ、彼の頬にそっとキスをする。
ーーこの人がいてくれて、良かった・・・。
もし一人だったら、こんなふうに思えるまでに もっと時間がかかっていたかもしれない。
前を向いて。
そう、龍がいるから。前を向いて、わたしは また歩き出そう。
求めつづける、わたしの音楽の路を。
清良は、いまの気持ちを確認するように、自分の胸に手をあてて 瞳を閉じた。
そして笑顔で、峰の隣へと横たわり、頭を彼の肩に擦り付けた。
ー * fin * ー
- 627 名前:カルメン ◆WaTXhFbUiY [sage]:2005/06/02(木) 23:08:34 ID:x3+WWoTG
- 以上です。ありがとうございました!!
- 628 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/02(木) 23:10:12 ID:biywjXli
- ブフォー!!り、リアルタイム☆GJです!カルメンさん!
- 629 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/03(金) 18:22:03 ID:L+1oOGjl
- ふぉぉ〜。カルメンさんGJ!清良と龍の感じが出てて良かったデス!
- 630 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/04(土) 11:13:42 ID:U8n94/pR
- カルメンさんGJ!ヨカッタ!
- 631 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/04(土) 21:36:07 ID:tz/gZk7y
- >>616
まてまてまて
ちょっとまて
のだめは女だ…ぞ
- 632 名前:名無しさん@ピンキー[]:2005/06/04(土) 21:59:16 ID:Gfpwsufy
- 誰もいない…?静かデスね
- 633 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/04(土) 23:17:14 ID:ExSCB7Ap
- >631
男は、どっちかつーと引き気味で、
のだめを萌るほど女として見てるヤシはいないおもてたって事では?
そこに来て、のだめのSSでヌケタつー野郎が現れたからへーみたいな
まー確かに、このスレに男来てるのへーおもた
- 634 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/04(土) 23:59:21 ID:Y590AKvS
- 初期ののだめは、女の漏れでもひいてたよ。
でも、最近ののだめはかわいい。
そういう男もちらほら出てきたということだろ。
しかし、のだめ読んでる男はクラヲタしかいないと思ってたけど・・・
- 635 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/05(日) 00:50:20 ID:5RQvdgtO
- のだめはアホカワイイ
なんかほっとけない
- 636 名前:nico[sage]:2005/06/05(日) 04:31:32 ID:sbt+W2Zk
- はぅ。0721はまだですかね? ||・)キョロキョロ
では失礼してお先に。
1.
カタリ、という音が聞こえたような気がして目を覚ます。ソファに座ってCDを聞いているうちに少しだけうたた寝をしてしまっていたらしい。
もう窓の外は真っ暗だ。ひざの上にはチェックのブランケット。のだめが掛けてくれたらしい。
- 637 名前:nico[sage]:2005/06/05(日) 04:33:47 ID:sbt+W2Zk
- 2.
心地よい音楽にそのまままどろんでいると、今度はぎゃぼーという声が聞こえてくる。
ため息をつきながら声のしたほうへと向かう。
たどり着いた先には空のボールを片手に床に散らばった野菜を拾っているあいつ。
「あ、先輩、起こしちゃいましたか。スイマセン。」
せっかく夜ごはん用意してびっくりさせようと思ってたのにー。愛のお料理大作戦?リターンズです。ギャハ!!
などと言いつつ拾い終えた野菜を洗っているのだめから、目が離せない。
「な、なんなんだー!そのかっこは!!」
「あ、かわいいでしょう?今朝ヨーコの新作です。また某ブランドのデザインをパクったらしいですヨ。」
淡い色のノースリーブのワンピース。形もふわりとして涼しげで夏らしい。確かにかわいい。
……ではなくて。
「その上だ。上。」
「あーこれデスね。ターニャに貸してもらったんですよ。」
そう、のだめが着ているのは純白のエプロン。柔らかそうなコットン生地で胸元と裾はレースで縁取られている。
腰のあたりにつけられたポケットにいたってはハート型だ。
.
「どうしたんですか?まだ疲れているんなら休んでてもらってもいいんですよ。先輩最近忙しそうだったし。
料理もターニャに教えてもらったからばっちりです。」
無邪気に笑うのだめ。いつも通りののだめだ。とりあえずお色気大作戦ではないらしい。
- 638 名前:nico[sage]:2005/06/05(日) 04:35:23 ID:sbt+W2Zk
- 3.
とりあえず気持ちを落ち着かせようと試みる。そう言えばいい匂いだ。
「俺も手伝うよ。ボルシチの匂いか?」
「ふぉぉ、先輩よく分かりますね。ターニャのお母さんの味だそうですヨ。
のだめの故郷の味に衝撃を受けたターニャが作り方を教えてくれたんデス。」
「あのカレーのことか… あれを日本の味だとは思われたくない…」
青い顔をして俺が言うとのだめが口をとがらせて抗議する。
「むっとしますね。今日はさらにのだめ特製のサラダ付きなんですよ?
このサラダも失敗したことがないんですよ。」
フーンと胸を張ってのだめが言う。
「ただのグリーンサラダじゃねーか。どうやったら失敗できるんだ…」
「ぎゃぼ、先輩ひどい… このドレッシングに秘密があるんですよ。よっくん直伝デス。」
味見してみてくださいヨー。とのだめが言うので。
指先でボールのなかのドレッシングをすくって舐めてみる。以外にも確かにうまい。
そう言うとのだめは顔を輝かせて。
……俺の指先を舐めた。
「あ、ほんとにおいしい。さすがよっくん」
とのだめが言うのと。
俺があいつを抱きしめて床に押し倒すのがほぼ同時だった。
空を切るのだめの手を捕まえて顔の横に押し付ける。
- 639 名前:nico[sage]:2005/06/05(日) 04:38:16 ID:sbt+W2Zk
- 4.
「ぎゃぼー!先輩!何するんデスか!!」
「おまえは自分でも味見したことのない物を人に食わす気だったのか…」
「ちょっ、先輩、セリフとやってることがぜんぜん違いますヨ!目がすわってマスよ!」
真っ赤な顔をして抗議するのだめの唇にそっとキスを落とす。
はじめはゆっくりと、唇をはみ歯列をくすぐる。
そのうちにだんだんと強く、舌を口内に差し入れてその舌を吸い、口内を蹂躙する。
そうしている間にものだめの胸に、背中に、腰に、すらりとした足に手を這わせていく。
のだめのくぐもった声が聞こえ唇を放す。
「先輩、のだめを殺す気ですか?」
はあはあと荒い息を吐きながら悪態をつくのだめ。でもその頬は紅潮していて。
目もすでに官能に濡れている。
柔らかい髪。柔らかいからだ……
小さな耳朶に、ワンピースからのぞく鎖骨に口付けながらささやく。
「でも、お前気持ちよさそう。……嫌か?」
「…は…ん…… イヤじゃ…ない…ですけど……」
「けど?」
「だって… ここキッチンじゃないですか…… しかもなんで急に……」
「……お前のせいだろ?誘ってるみたいじゃねーか… それ……」
「……! さ、誘ってマセンよ!もう、ムッツリ……きゃ…」
言いながら千秋は可愛らしく結ばれた紐を解いていく。そこは既にしっとりと湿っていて。
周囲を軽くほぐしながら指を差し入れるとするりと飲み込まれていく。
がくがくと震えるのだめの腰をしっかりとつかみながら蕾に舌を這わせてやると、
のだめの声にならない声が聞こえてくる。
流れ出る雫でもうシーツもぐっしょりと湿っている。
- 640 名前:nico[sage]:2005/06/05(日) 04:39:42 ID:sbt+W2Zk
- 5.
絶え間なく与えられる快感にのだめはいやいやをするように髪を振り乱し、背をそらし登り詰めた。
ぐったりとシーツに沈むピンク色に火照った体。悩ましげに寄せられた眉、荒い息。
―――すべてが苦痛に耐えているようにしか見えないのに、
いま彼女が官能のとりこであることがわかる。
その華奢な体を抱きしめ、耳もとでささやく。
「……のだめ………」
「……!! …しんいち…くん……待って!…待って下サイ……」
「……何…?」
「…だって……ん…まだ…服……ふたりとも!……」
「…脱いだらもったいないだろ?せっかくの新しい服に、エプロン」
そのままのだめのなかに自身を沈めていく。
待ち望んでいた快感にすぐにでも意識を飛ばしそうになってしまう。
汗が流れ落ち、お互いの結合部からはくちゅくちゅといういやらしい音と
恥骨がぶつかり合う摩擦音が聞こえてくる。
絡ませた指には思いっきり力がこめられ、快楽に溺れ切っていることを伺わせる。
耳元には甘い、甘いのだめの声。切なそうに自分の名前を呼んで、自ら体を揺らしている。
「のだめ……体、揺れてるぞ」
「……やぁん…… そんなこと……してな……ぃ…」
「……えっち……」
「……もう……ムッツリー!カズオ!!」
「…てめ……」
- 641 名前:nico[sage]:2005/06/05(日) 04:41:43 ID:sbt+W2Zk
- 6.
千秋はのだめの足を自らの体の下におりこみ、加速度的に抽迭を早めてゆく。
ノースリーブワンピースの隙間から手を差し入れて胸の突起を直接蹂躙すると、
ひときわ高いのだめのあえぎ声が聞こえてくる。
ひんやりとした床の上で、互いに汗で濡れた髪を振り乱しながら激しく求め合う。
「…あ…や……もうだめ……しんいち…くん…… いっちゃ……!!」
声を震わせて上り詰めるのだめ。腕は千秋の体にすがりつき、足もその腰に絡みつけられている。
その膣の中の、誘い込むような激しい痙攣に促されるまま、
千秋はのだめの中に己の欲望を吐き出した。
まだもうろうとする頭でとなりののだめを抱きしめる。
情事の余韻からかのだめの足はまだ震えている。
「……悪かったよ。ちょっと乱暴だった。ゴメン。」
「……いいデスよ… のだめも気持ちよかったですし。それより床が……」
「……べたべただな。体も、服も…… とりあえずシャワー浴びるか……
連れてってやるよ。メシはその後だな…」
千秋はのだめに小さくキスをすると、その体を抱え上げバスルームに向かう。
バスタブにお湯を張り、汗でびしょびしょに濡れた服を脱がせ湯船に中に入れてやる。
と同時にバスルームに響くのだめの叫び声。
「あ!先輩!着替えの服がないです!!下着も!何にも!」
そういえば…… 今までものだめがうちに泊まる時に、朝着て帰る服がないことがたびたびあった。
まあ隣の部屋までだし、前の日の服を着させて部屋に帰していたが…… 今日はとてもそんな状態じゃない。
「まあいいですよ。先輩がのだめの部屋から着替えを取ってきてくれれば。」
「……俺にあのゴミの小宇宙の中から服を探せと?」
「むきゃー!!じゃあのだめはお風呂から出て何を着ればいいんデスか!?」
「……俺のシャツとか?」
「そんなもの着たらもう一度シャワーを浴びなきゃなんなくなる気がするのは気のせいですかネ?」
というのだめの叫びは聞こえないことにした。
- 642 名前:nico[sage]:2005/06/05(日) 04:42:33 ID:sbt+W2Zk
- END です。
タイトルつけるのまた忘れてた…
キッチンプレイ(着たまま)とかでいいですかね?
もうこんな時間!(||゚Д゚) ねなきゃ
- 643 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/05(日) 10:20:03 ID:2LnDmqZK
- 乙。
でもつっこんでいい?
シーツがいきなり出てくるのは何?
- 644 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/05(日) 12:18:17 ID:0pbXcuaf
- なにげに勘のいいのだめと、まじでムッツリ助兵衛な千秋でしたね
でも面白かったですよ。シーツの件も含めてw
おつかれ〜
- 645 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/05(日) 15:00:16 ID:CXDnacBm
- GJ!
すっごく面白かったし楽しめましたよ!
シーツもまあご愛嬌ということでw
ムッツリ千秋と可愛いのだめが最高でした!
またの投下をぜひぜひお待ちしております。
- 646 名前:nico[sage]:2005/06/05(日) 15:35:05 ID:sbt+W2Zk
- ごめんなさい。したたかに酔ってた。一升飲んで。
(´・ω・`)ショボーン 反省。
笑って許して
- 647 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/05(日) 20:47:18 ID:HA48/2vt
- 乙!!許すw
- 648 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/05(日) 22:14:19 ID:yP05HumE
- GJ!!
- 649 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/06(月) 07:43:04 ID:8JPbxvq5
- GJです!
- 650 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/06(月) 10:33:11 ID:KGg2tBfp
- GJ!!
シーツ… 禿ワロタヨ…
のだめ@白シャツに悶々の千秋もキボンヌ
- 651 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/09(木) 17:20:07 ID:Th+STeyc
- 誰もおらんのかここは。
- 652 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/09(木) 18:52:47 ID:6UZO6bZ6
- おるよ
- 653 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/09(木) 19:19:03 ID:SCb/Sv9a
- いるけど。
ただ今執筆中。
しばし、お待ちを。
- 654 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/09(木) 22:45:09 ID:Ln9qLRIF
- 待ってマス!
- 655 名前:548 ◆4sMR6mOlDA [sage]:2005/06/10(金) 01:11:15 ID:wlBJEj+4
- 遅くなりました。投下します。
当初の妄想からだいぶ構想がズレ、
のだめの、まんま自慰ではなく、千秋の調教になってしまいました。
ご期待に沿えずすんません。
では。
- 656 名前:548 ◆4sMR6mOlDA [sage]:2005/06/10(金) 01:11:32 ID:wlBJEj+4
- 1/8
「センパイ…」
シーツにくるまり、ふたり裸でまどろんでいると、
のだめが千秋の胸に抱かれながら呟いた。
「どうしてセンパイは、のだめをこんなに気持ち良くしてくれることができるんですか?」
「えっ…(赤面)」
「どうしてのだめの、いちばん気持ちいいところがわかるんですか?」
「い、いや…それは…オレも気持ちいいし…(さらに赤面)」
「のだめ、知りたくて一度自分で試してみたんですけど、
センパイがしてくれるようには気持ち良くならないんです」
「は…じ、自分で…?」
思わず千秋は、自分の胸元からのだめを離し、その顔を凝視してしまった。
「ハイ。センパイじゃなきゃ、気持ち良くなれないんです」
「そ、それは…」
突然ののだめの暴言に一瞬唖然とした千秋だが、ふとある考えが思いつく。
「じゃ、見せてみろよ。お前が自分でしてるところ」
「はぁ?!み、見せる?!」
今度はのだめが赤面する。
ここまできてようやく、自分がとんでもない暴言を吐いていたことに気づいた。
- 657 名前:548 ◆4sMR6mOlDA [sage]:2005/06/10(金) 01:12:13 ID:wlBJEj+4
- 2/8
「教えてやるよ…気持ち良くなる方法」
慌てて背を向けてしまったのだめを、背後から抱き寄せ、
耳元で囁きながら、のだめの手を取る。
「まずは…胸か?お前、乳首いじられるの好きだろ?」
のだめの手をその大きな乳房へ運び、千秋も手を重ねてゆっくりと揉ませる。
「ほら。すぐに乳首固くなった…」
その固くなった乳首に指を導き、つまませる。
さらに、指ではじき、またつまみ…いつしか千秋が導かなくとも、
のだめの手は自らの胸をひたすらに弄んでいた。
口元からは熱い吐息が洩れはじめている。
- 658 名前:548 ◆4sMR6mOlDA [sage]:2005/06/10(金) 01:12:31 ID:wlBJEj+4
- 3/8
更に千秋は、首筋に唇を這わしながら、のだめの右手を取り、
胸から腹をなめらかに滑らせ、そっと茂みに近づけていく。
「こっちは?こっちも自分でいじるんだろ?」
乳房を嬲ることに一心不乱になっていたのだめの手が止まる。
怯えたように上目遣いに千秋を見上げるのだめに、ニヤリと笑ってさらに続ける。
「ほら。自分で気持ち良くなりたいんだろ?」
怯む手をかまわずに繁みに這わせ、中指を重ね、そっと縦に動かす。
「まだまだこんなもんじゃないよな。ほら…もっと奥はどうなってる?」
ためらうのだめの手をそのまま奥へと進めると、
その手越しにもすっかり潤みきっているのがわかった。
「もうこんなに濡れて。やらしいな。まだ胸だけなのに、感じてる?」
- 659 名前:548 ◆4sMR6mOlDA [sage]:2005/06/10(金) 01:13:02 ID:wlBJEj+4
- 4/8
力なく手を這わすのだめを後ろから抱え座らせると、脚を開かせ、
その中心部にふたたび手を導く。
「ほら。わかるだろ?濡れてるの。もっと奥まで指を入れてごらん」
躊躇いながらも頷くのだめの手を離すと、
のだめは自らその長い中指を、ゆっくりと奥へと進めた。
潤んだ襞はするりと指を受け入れる。
脚が閉じてしまわないように膝を押さえながら、千秋は肩越しにのぞき込む。
「そう、ゆっくりと。最初は縦に動かしてみて。固い粒があるの、わかる?」
怖々と手を動かし、のだめはこくりと頷く。
「それがクリトリス。ここにキスすると、すぐにイっちゃうよな、お前」
いやいやをするように首を振りながらも、のだめの手は止まらない。
「そう、そこを中心に…ゆっくりとかきまわすようにしてごらん」
のだめが千秋に言われるがままに手を動かし続けると、
水音が次第に大きく聞こえてきて、シーツには徐々に染みが広がっていく。
「だいぶ濡れてきたね。ちょっとチェックしてみようか」
千秋は溢れ出た蜜をさっと指ですくい取り、その指をのだめの口に含ませる。
「これが、お前の味」
「んっ…」
のだめも思いがけぬ千秋の行動に一瞬怯むが、口内を蹂躙する指に舌を絡ませる。
- 660 名前:548 ◆4sMR6mOlDA [sage]:2005/06/10(金) 01:13:26 ID:wlBJEj+4
- 5/8
「次は、ゆっくり指を入れてみようか。そう、そのまま…」
言われるがままに襞の奥へと指を進める。
「ゆっくり出し入れしてごらん」
淫らな水音をたてながら、指が出入りする。
千秋の指を含んだままののだめの口から、吐息が漏れる。
千秋にもたれ、左手は相変わらず乳房を嬲り続ける。
脚は、もう押さえていなくとも力なく開かれて、自らの手を受け入れている。
「もう1本…指、入れてみようか。人さし指も」
耳元で囁かれる指示は、まるで催眠術のように、のだめを動かす。
「めぐみ…いやらしいな…オレがいないときは、いつもこんなことしてるの?」
「してません…い、一度だけ…です…」
「嘘。こんなに濡れて…気持ち良くなってるじゃん」
口に含んだままだった手を出し、もう一度溢れ出た蜜をすくって今度は千秋が口に含む。
「ち、違うんデス…センパイが…してくれるみたいには…ぁ…」
必死に千秋に応戦しながらも、指の動きは止まらない。
- 661 名前:548 ◆4sMR6mOlDA [sage]:2005/06/10(金) 01:13:43 ID:wlBJEj+4
- 6/8
「し、しんいちくん…もうダメです…お願いしマス…」
やっとの思いで言葉にすると、あとはただ首を振り続ける。
「なにがダメ?何をお願い?ちゃんと言わなきゃわからない」
止まらぬ自分の手にひたすら悶え続けるのだめに、さらに追い討ちをかける。
「お願いします…入れてください!しんいちくんの入れてください!
のだめのこと、気持ち良くしてください!」
「もう充分気持ちよさそうだけど?それでもオレがほしいの?」
「しんいちくんじゃなきゃダメなんです!」
「そ。じゃ、どうぞ」
千秋は仰向けに寝ると、のだめを腹の上に乗せた。
「入れていいよ。入れて、好きに動いてごらん」
- 662 名前:548 ◆4sMR6mOlDA [sage]:2005/06/10(金) 01:14:01 ID:wlBJEj+4
- 7/8
「好きに…」
戸惑いつつも、のだめは目の前の快感を求め、千秋自身をゆっくりと自分の中に埋めていく。
根元まで完全に入ると、子宮の入り口が刺激されるかのような、鋭い快感がのだめを襲った。
繋いだ両手に力が入る。
腰が、いちばん感じる部分を求めて勝手に動き出す。
始めはゆっくりさぐるように。
やがて激しさを増し。
「そう動くと気持ちいい?」
自身もその締めつけにと刺激に耐えながら、冷静さを装って
無我夢中で腰を動かし続けるのだめに問うが、
のだめはひたすらに首を振り、声にならない声が返ってくるだけだ。
「そのまま…クリトリスを触って。もっと気持ち良くなれるから…」
のだめは言われたままに手を繋がった部分に這わせ、
もっとも敏感な部分を指が捉えると、千秋への締めつけも一層強まった。
「ん…やぁぁ…」
- 663 名前:548 ◆4sMR6mOlDA [sage]:2005/06/10(金) 01:14:16 ID:wlBJEj+4
- 8/8
のだめの身体から力が抜け、折れて千秋に重なってくる。
「イった?じゃ、オレも気持ち良くならないとな…」
力ないのだめの身体を抱え、今度は千秋が上から重なる。
のだめの膝を折り、深く突き上げると、のだめの身体がびくりと反応した。
眼下に見えるのだめの白いふくらみをつかみ、激しくもみしだく。
突然の刺激に戸惑いながら喘ぐのだめに構わず突き上げを繰り返し、絶頂へと向かう。
水っぽい摩擦音と、肌と肌が叩きあう音が勢いを増し、さらなる興奮が起る。
「し、しんいちくん…のだめもう…また…」
「うん…」
のだめの叫ぶ声を合図にするかのように、千秋も果てた。
「やっぱりしんいちくんじゃなきゃダメです…」
つながりを解かず、千秋の下になったままののだめが、耳元でささやいた。
「オレも。めぐみがいなきゃダメ」
「やっぱりひとりより、ふたりですね」
そう言って見つめあうと、どちらからともなく唇を重ねた。
- 664 名前:548 ◆4sMR6mOlDA [sage]:2005/06/10(金) 01:19:17 ID:wlBJEj+4
- 以上です。
私が千秋を動かすと、どうしてもややSになるみたいで。
なんていうか…柔らかい言葉でねっとり言葉攻め、みたいな。
もちょっと違うイメージでも書いてみたいですね。
- 665 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/10(金) 01:50:59 ID:rQeSaLei
- 548サン!!GJ!!
- 666 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/10(金) 02:26:26 ID:3hqpkwVb
- 548さん、素晴らしかったです!
萌えましたよ〜!!
S千秋最高でした!
最後は甘々でしたし、すっごくよかったです!
またの投下をぜひぜひお待ちしています。
- 667 名前:名無しさん@ピンキー[]:2005/06/10(金) 20:53:44 ID:l4QK6RI8
- >>548さん☆スゴイです!
萌え〜ですね♪
- 668 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/11(土) 16:54:23 ID:Wgwrtyjn
- 萌〜☆GJです!
- 669 名前:名無しさん@ピンキー[]:2005/06/12(日) 00:11:40 ID:+S6km4Tk
- GJ!
リクエストとしてはだれか黒木キュソのシチュを
投下してくださらないでしょうかw
くろきんキボンヌ!!
- 670 名前:名無しさん@ピンキー[]:2005/06/12(日) 19:29:02 ID:WM6QBkLV
- 私もくろきん凄く見たいです…どうか職人様おねがいしマス!!
- 671 名前:名無しさん@ピンキー[]:2005/06/12(日) 19:45:30 ID:VkVryyiy
- 【■■2ちゃんねるが消滅します】
狂気の言論弾圧法「人権擁護法」を拉致問題の安部晋三先生と阻止しよう!!
この法案の真の狙いは、
@社会的には、ネット世界の一般人の小うるさい言論の圧殺
A政治的には、自民党右派の消滅です。
民族(朝鮮・中国・韓国)、同和、宗教等に関する
全ての差別的発言を禁じるという狂気の法律です。
一刻も早く防戦する安部先生達に国民の援護射撃(=法案反対の意思表示)を!!
以下★を消去の上、どうか必ずご覧下さい!
http://blog.livedoor.jp/no_gest★apo/ (悪法の問題点)
http://www.kantei.go.jp/jp/forms/goik★en.html (政府ご意見フォーム)
■□■人権擁護法阻止大集会in日比谷公会堂 6/19(日)12:30〜16:00
超大物国会議員登場・皆さん大挙してご参加を!■□■
- 672 名前:名無しさん@ピンキー[]:2005/06/13(月) 00:30:46 ID:IzoOWWrM
- 私もくろきんみたいです!!誰か神様〜〜!
- 673 名前:名無しさん@ピンキー[]:2005/06/13(月) 19:33:25 ID:MQTzHtd/
- 童貞だよねくろきんってww「ぼ…僕、初めてで…」なくろきんキボン
- 674 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/16(木) 03:47:12 ID:FZw6vO7M
- くろきん書きのネ申が降臨されるまで・・・。
皆様の暇つぶしになるかわからナイですが、ベタなテーマで書いた
千秋×のだめ、投下してもいいですかね?
ちと、長いんですが・・・。
- 675 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/16(木) 06:01:48 ID:+1I4j/qo
- >674
お待ちしてます
- 676 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/06/16(木) 11:26:35 ID:7AAwQ/Qg
- >>674
ぜひぜひお待ちしています!!最近、千秋×のだめに飢えてます・・・。
- 677 名前:674=ショコラ[sage]:2005/06/16(木) 18:39:45 ID:FZw6vO7M
- お言葉に甘えて投下させて頂きます。千秋×のだめ(エロあり)です。
一応分かりやすいようにハンドル付けました。
ベタな展開なので、メインディッシュ☆くろきん(笑)前の、
スナック感覚でお願いします。
一応パラレルなので、苦手な方はスルーの方向でヨロシコです。
- 678 名前:「喪失」・1[sage]:2005/06/16(木) 18:41:31 ID:FZw6vO7M
- その一報が俺の元のもたらされたのは、R☆Sオーケストラの練習の合間に取った休憩時間の時の事だった。
窓から流れ込む,ぬめっとした湿気を帯びた強風が、台風の接近を予感させる様な7月上旬。
俺は久しぶりに日本に帰国していた。
R☆Sオーケストラの企画で、俺のプラティニ指揮者コンクール優勝の凱旋も兼ねた客演に呼ばれたからだ。
今回は初代指揮者の俺と、それから現任指揮者の松田さんとの競演、というのもウリらしい。
立ち上げたばかりの新しいオーケストラは何かと大変だ。
斬新な提案をしていかなければ聴衆に飽きられる。・・・いつもそんな恐れがオケ関係者に付き纏う。
峰から最初その話をされた時、峰の考えている事も理解できたし、
正直、松田さんとの競演には俺も興味を持った。
けれども。
「千秋真一凱旋公演!と銘打ってやるからな、親友。」
---そんな事を言われたら正直戸惑いもあり・・・。
俺はまだまだ一介の駆け出しの指揮者、つまり修行中の身だ。
峰には悪いが、俺にはその言葉を受け入れるほどの自信も裏づけも今は、まだ持ち合わせていなかった。
それでも、躊躇する俺が、この客演を承諾した訳は、峰から言われたある一言にある。
- 679 名前:「喪失」・2[sage]:2005/06/16(木) 18:42:32 ID:FZw6vO7M
- 「のだめもさー、試験終わってちょうど学校も休みになった頃だし、久しぶりに日本に返してやれよ。
お前がそっちに居ると、帰りづらいだろ?」
のだめと一緒にパリにきて、俺はその間コンクールがあったり、
シュトレーゼマンのワールドツアーに付き添ったり、客演に呼ばれたりと…と、
正直パリを不在にしている事が多かった。
でものだめは、その間ずっと一人でパリに居て…。
学校とアパートとの往復。
慣れない生活と、慣れない勉強。
日本に帰りたくなってもおかしくない状況なのに、あいつはそんな素振り全く見せなかった。
峰に言われてからその事に初めて気が付いた俺は、自分の配慮の無さに少し反省した。
−−−そんな訳で、俺は今日本に居る。
こっちに着いたのは今日の朝で、その足でオケが借りている練習室に来た。
時差ボケで少し辛かったけど、一刻も早く、顔合わせも兼ねた軽い音合せをしたかったからだ。
しかし、俺が練習室に入った瞬間・・・。
「千秋様ーーーー!!!」
「千秋君!!!!」
『会いたかった----!!!』(←シンクロ中)
と、両脇に真澄と高橋君からタックルを決められたのは一生の不覚だ。(・・・出来れば思い出したくもない。)
それを見た周りからどっとどよめきと笑い声が起こる。
ハァ・・・、これならまだ、萌と薫の方が良かった…。(←ムッツリ)
- 680 名前:「喪失」・3[sage]:2005/06/16(木) 18:43:05 ID:FZw6vO7M
- 幸い、見知ったメンバーも多かったし、色々な事を含めて、今日は初日としては上々の滑り出しだ。
流石に松田さんに徹底的にしごかれてきているだけあって、
メンバーそれぞれが俺が居た時とはまた違った進化を遂げている。
俺はR☆Sの秘めたるポテンシャルの高さに心の底から感嘆し、
そして俺から引継ぎここまで育ててくれた松田さんに、・・・悔しいけど感謝と尊敬の念を抱いた。
今日は来ていなかったが、黒木君も帰国していて3日後の練習から参加するらしい。
久しぶりに初期メンバーが多く集まったせいなのか、休憩時間はお互いの近況で盛り上がった。
「あーあ。今ここに居ないのは結局、清良と菊地だけかー。」
峰が残念そうに笑った。俺はペットボトルのミネラルウォーターをゴクゴクと飲み干す。
相変らず日本の夏は・・・蒸し暑い。
「清良はあっちで室内楽、頑張ってるみたいだな。」
俺がそういうのを聞いた真澄が茶化すように言った。
「”真っ赤なルビー”が居なくても頑張んなさいよ!龍ちゃん。」
「なっ!あ、当たり前だろ!!」
こちらも”真っ赤”になって怒ってる峰を見ながら、萌と薫も楽しそうに笑っている。
俺も、はははと声をあげて笑った。久しぶりに感じる懐かしくて穏やかな雰囲気。
その時。
その静寂を破るかのように、そのベルは鳴った。
- 681 名前:「喪失」・4[sage]:2005/06/16(木) 18:44:03 ID:FZw6vO7M
- 「あー、千秋の携帯鳴ってんぞ?」
「ああ、うん。」
俺がゆっくりとした動作で携帯に手を伸ばすのを、峰はリベンジとばかりにからかった。
「なんだー?早速のだめからか?本当は早く出たいくせに無理すんなよ。」
「うるせー!」
のだめは俺よりも1週間早く帰国していた。
俺の飛行機…の事もあったので、のだめは俺と一緒に帰りたがったのだが。
でもせっかくの休みを俺の為に無駄にして欲しくなかったし、だから俺はあいつに先の帰国を勧めた。
俺は常任をつとめているマルレの所用が入っていて、日程的にどうしても今日の帰国になってしまった。
のだめはその間に大川に帰っていた。
久しぶりの実家、あいつにとってもいい骨休みになったに違いない。
今朝、朝一の便で東京に戻ったと、成田からの移動中に見た携帯のメールに入っていた。
”のだめは今、三善さんのおうちに着きました。
先輩にって、ヨーコにお土産いっぱい持たされましたヨ〜。
午後は、由衣子ちゃんと一緒にピアノを弾きます。
先輩、今日は何時頃帰ってくるんですか?
東京出る時には、連絡下さいね。
LOVEのだめ
P.S.今日の晩御飯はのだめ特製のお鍋です。
P.S.2 先輩、早く会いたいです。”
- 682 名前:「喪失」・5[sage]:2005/06/16(木) 18:44:54 ID:FZw6vO7M
- あいつは用がないと電話してこないタイプなのはパリで嫌っ・・・という程、経験済みだ。
だから今鳴っているこの電話は、のだめからじゃないと思っていたが・・・。
案の定、携帯のディスプレイは公衆電話からの着信を知らせる表示だった。
誰だろう…、と思いつつも俺は電話に出た。
「・・・もしもし?」
---もしもしっ!?真一!?今どこに居るのっ!?
母さんの声はいつになく甲高く、何か気が動転しているようだった。
「どこって…。オケで借りてる練習室。東京だけど、どうかし」
---の、のだめちゃんがねっ、木っ、木から、木から落ちたのっ!!
「はぁ!?木ぃ!?」
---それで、意識がなくって、きゅ、救急車で、俊君が脳震盪起こしてるかもって、
由、由衣子ちゃんは私のせいだって泣いてっ・・・
母さんはすっかりパニックになっているらしく、何の話をしているかこちらもよくわからない。
のだめが木から落ちた、という単語を聞いて、瞬間的に俺も全身がカーと熱くなるの感じた。
が、俺がここで一緒に興奮してしまっては埒があかない。
焦る気持ちに抑えようと呼吸を整えながら、俺は努めて冷静に質問を返した。
- 683 名前:「喪失」・6[sage]:2005/06/16(木) 18:45:26 ID:FZw6vO7M
- 「いいか、母さん。もう話さなくていいから、ただ俺の質問だけに答えて。」
---し、真一、ど、どうしよう?
「いいから…少し落ち着いて。今、どこから電話してんの?」
---び、病院よ!のだめちゃんがっ!運ばれた救急病院っ!
「のだめが木から落ちたんだな?」
---そ、そう。
「由衣子もその時そこに居た?」
---二人で、バ、バドミントン?をしていたらしいの。羽が木に引っ掛って…、
今日ほら、か、風強いから、それで、のだめちゃんがそれをと、取ろうとして…
「木に登って、落ちたんだな?」
---ええ。それで頭を打ったらしく、の、のだめちゃんの意識がなくて。
「俊彦は脳震盪じゃないかって?それで救急車を呼んだ?」
---そうなの。い、今、のだめちゃんは処置室に居るんだけど。由衣子ちゃんはもう泣きっぱなしだし…。
俺には由衣子が大声で泣きじゃくってるその光景が、手に取るように思い浮かんだ。
「…俊彦はそこに居る?」
---ええ、後ろに居るわ。
「ちょっと代わって。」
---え?わ、わかったわ。…俊君、真一が…
電話の声が少し遠くなった。母さんが俊彦に電話を渡しているらしい。
- 684 名前:「喪失」・7[sage]:2005/06/16(木) 18:46:04 ID:FZw6vO7M
- ---もしもし、真兄?
「俊彦か?お前が居てくれてよかった。母さんと由衣子だけじゃ、今頃大変な事になっていた。」
---うん。もうあらかた状況はわかったと思うけど、のだめさんが木から落ちて、まだ意識が戻らないんだ。
「それで、先生は何て言ってるんだ?」
---頭を打っている事は確かなんだけど、詳しく調べてみないと今は何とも言えないって。
ただ、頭を打っている以外は、骨とかには異常がないみたい。
あちこち擦り傷と打撲はあるらしいけれど…。
「…のだめは頭から落ちたのか?」
---由衣子の話だと、そうみたいだね…。頭というか、後ろ向きに背中からって言うのかな…?
「とりあえず、俺、今からそっちに向かうから。病院の連絡先教えて。」
---わかった。あ、ちょっと待って、今手元に何もなくてわかんないから。
受付で教えて貰ってくる。電話、すぐに折り返すよ。
「うん。早くな。待ってるから。」
俺は電話を切りパチンと折り畳むと、肺から空気を全て出すように、大きく息を吐き出した。
冷静に振舞おうとした反動が出たせいかもしれない。
全身の血が逆流したみたいに体が熱い。急に心臓がドキドキしてきて、息が苦しくなってきた。
「千秋…。のだめに何かあったのか?」
峰が聞きづらそうに俺の顔を伺う。傍に居たメンバーも皆聞き耳を立てて俺の話を聞いていたのだろう。
萌と薫なんかこちらが吃驚する程、顔面蒼白になっていた。
- 685 名前:「喪失」・8[sage]:2005/06/16(木) 18:46:47 ID:FZw6vO7M
- 「あ…、聞いてた通りあいつ、何か木から落ちて病院に運ばれたらしいんだ…。
それで、俺、悪いんだけど、後半の」
「いいっていいって!すぐ行ってやれよ!緊急事態じゃねーか!」
「悪いなみんな…。それで明日以降の練習の」
「んもう、そんなのいいから早く行ってください!千秋様!!こっちは大丈夫です。
あのコ、バカだから、きっと千秋様の来るの待ってるんですよ!」
「う、うん、本当にみんなゴメン。それからこの事、他の皆には内緒にしておいて…。」
その時、携帯電話が着信した。俊彦からの折り返しの電話だった。
「あ!じゃ、悪い。おれ行く!後、頼むな、峰!」
俺は峰に歩く手を上げ、俊彦からの電話に出ながら、足早に練習室を出て行った。
千秋は部屋のドアを閉めた途端、猛スピードで廊下を駆出した。
---本当はもっと早くにこうしたかった!!
みんなの手前抑えていたが、ここにきて一気に感情が爆発する。
”のだめ…!ったく、あの馬鹿っ!!”
”…でも、のだめ、どうか無事で…。”
最後にあいつを見たのは…、確か1週間前のパリ。
”明日の今はもう日本なんですヨ!”
そう言いながら嬉しそうに笑っていたのだめの顔が、何故だか無性に顔面にちらつく。
1週間以上離れていた事なんてざらにあったのに、何で俺、こんなに焦っているのだ?
千秋はまるで、もうのだめに一生会えない様な嫌な胸騒ぎがしてならなかった。
俊彦が耳元で言う連絡先を頭に叩き込みながら、タクシーを捕まえるべく、千秋は表通りへ飛び出していった。
- 686 名前:「喪失」・9[sage]:2005/06/16(木) 18:48:41 ID:FZw6vO7M
- 俺が母さんから最初の電話を受けてから病院に着くまでに、ゆうに2時間は経過していた。
移動中のタクシーの中で俊彦から、再度着信があった。
---のだめさん、今、意識が戻ったよ。
先生が診察しているから、まだ僕たち、処置室には入れないけど。
のだめの意識が戻った事はもう知っているから、先程までのひりつく様な焦燥感は、今はもうない。
でも、とにかく一刻も早くのだめの顔が見たい。あいつが「もう大丈夫ですヨ。」と笑う顔が見たい。
ただ俺は、とにかく安心したかったのだ。
病院に着いたのはちょうど黄昏時で、今日の面会時間が終わった頃なのであろう。
一階ロビーのあちこちに、付き添いと見られる人達の姿がちらほら見えた。
皆大きな袋を持っていて、帰り支度をしている。
「すいません!あの、今日救急で運ばれた、野田恵、の病室はどちらですか?」
俺はロビーの真ん中にあるインフォメーションカウンターにいた女性に声をかけた。
「ご家族の方ですか?」
家族・・・、そう言われて、正直面食らう。
「・・・そうです。」
俺は少々後ろめたい気がしたが、早く知りたかった事もあり適当にそう答えてしまった。
「では、今、上に確認を取りますので。
こちらにお名前をご記入頂けますか?それから患者様との御関係をここに・・・。」
ああ、こんな事している場合ではないのに!俺は物凄くイラついた。
大体、関係を書け・・・って何て書いたらいいんだ??あ、兄とか?
違うだろ・・・。それなら、友人?
・・・確かに間違いではないけれど、でも、それだけじゃない。
- 687 名前:「喪失」・10[sage]:2005/06/16(木) 18:49:21 ID:FZw6vO7M
- 「あっ!真兄!!こっちだよ!!」
その時吹き抜けに架かっている2階部分の渡り廊下から、
俊彦が身を乗り出すようしてこちらに手を振っているのに気がついた。
助かった・・・!
俺はインフォメの女性に軽く会釈して、そのまま俊彦のいる方へ向かった。
のだめの病室があるフロアの休憩所には、母さんと由衣子が所在なげに座っていた。
「ごめん。遅くなって・・・。途中で事故があったらしく、高速で渋滞にはまって・・・。」
・・・・・・?
何かおかしい。何故だか二人とも俺と顔を合わせようとしない。
由衣子に至っては、すすり泣き出す始末だ。
俺はその瞬間最悪の事態が頭に浮かんできて、背筋が凍りつくのを感じた。
「・・・のだめに・・・・・・何か・・・もしかして・・・・・・。」
「真兄。ひとまずのだめさんの部屋で顔を見てあげてよ。話はそれからで・・・。」
俊彦が俺の疑問を遮った。皆で何かを隠しているみたいだ。でもそれが何だか分からない。
俺は釈然としないまま、俊彦に背中を押されるようにして、のだめの病室へ向かった。
「とにかく会えば分かるから。」
そう言うと、俊彦も口を噤んでしまった。
- 688 名前:「喪失」・11[sage]:2005/06/16(木) 18:49:47 ID:FZw6vO7M
- ---のだめはこじんまりとした個室部屋の白いベッドの上に、ぽつん、と居た。
俺が入った時にはすでにベッドの上で起き上がっていて、すぐにこちらへ視線を寄越す。
そして何やら合点のいかないすっとんきょうな顔をして、俺をじっと見つめていた。
「のだめ。大丈夫か・・・?」
何だ、全然元気そうじゃないか・・・。
俺ははぁーーと盛大に息を吐き出し、ようやく安堵した。
右頬に白いガーゼを当て、両腕と頭に包帯をぐるぐるに巻かれた様子は、確かに痛々しくはあったが。
「木から落ちて頭打ったんだってな。何でお前はそう、とんでもない事をやらかすんだ!」
俺は表面で怒って見せながら、のだめのベッドの方にそのまま歩み寄る。
「・・・意識がない、って連絡受けた時には、流石の俺も焦ったんだからな・・・。」
でも、相変わらずのだめはキョトンとしたままだ。
「指とか、手、ケガしなくて・・・よかったな?あ、でもおまえここ、顔、切ったのか?」
俺が白いガーゼの上からのだめの右頬をそっと触れると、のだめはびくっとした。
「ごめん。痛かった?傷、残らないといいな・・・。一応おまえ、女だし?」
俺が笑いながらそう言うと、俺を見上げるのだめの瞳に自分が映っているのに気が付いた。
ああ・・・。
その刹那、俺の体がふわっと弛緩する。のだめが無事なのをようやく体中が認識したのだ。
俺は感情の迸るまま、のだめの上体を自分の胸の中に、強く抱き寄せた。
- 689 名前:「喪失」・12[sage]:2005/06/16(木) 18:50:33 ID:FZw6vO7M
- 「・・・ったく、このバカ!どれだけ人が心配したと思ってるんだ・・・。」
やばい、涙声になってしまった。俺は慌ててのだめの髪に、顔を埋める。
こうすれば少なくとも、俺の情けない顔はのだめに見せないで済むからだ。
「でも・・・。」
「本当・・・に・・・無事でよかった・・・のだめ・・・・・・。」
そうして、のだめの髪の匂いを思い切り吸い込んだ。
たった1週間離れていただけなのに、その匂いは眩暈がする程懐かしいものだった。
でも。
その瞬間、いつもと違う徹底的な何かを、のだめと自分との間に感じた。
のだめの体は俺の腕の中で、驚くほど強くこわばっていたのだ。
なんなんだ?この感じ・・・。
それは俺が今まで全く味わった事のない、のだめの妙なよそよそしさだった。
「のだめ・・・?」
俺は腕を緩めると、両手をのだめの肩に置いた。そうしてのだめの顔を覗き込む。
「のだめ・・・?どうした・・・?」
「あの・・・。」
困った様な、何か複雑な表情の、のだめ。
そんなアイツの口から続いた言葉は、弛緩した俺を再び凍りつかせるに十分な破壊力を持っていた。
「あの・・・えと・・・どちら様・・・デスか・・・・・・?」
目の前に居るのだめは、記憶を失っていた。
- 690 名前:「喪失」・13[sage]:2005/06/16(木) 18:52:27 ID:FZw6vO7M
- さんと由衣子だけでなく、俊彦も何も言わずさっきからずっと俯いたままだ。
ただ、重苦しい空気だけが辺りを支配する。
そんな中、観念したのか、ようやく母さんが重い口を開いた。
「落ちた時のショックが原因じゃないか・・・って先生はおっしゃるの。」
「ショック・・・。」
「のだめちゃんね。目を覚ましてから、先生に色々聞かれて。
最初、自分の名前もすらすら言うから、すっかり安心してたんだけど・・・。」
そこで母さんは言葉に詰まった。
「でも、すぐに、私達に気が付いて、物凄く不思議そうな顔をして・・・。」
それまでずっとすすり泣いて聞いていた由衣子が、堪え切れず大声で泣きだした。
「ごめんなさい。ごめんなさいっ。真兄、ごめんなさい・・・!ゆ、由衣子がいけないのーー!
っひっく。の、のだめちゃん、由衣子が飛ばした、は、はね、とろうとしてっ、
木から落ちたのっ。だからっ、由衣子のせいなのーーー!!ううっ。うわーーん!!」
俊彦が泣きじゃくる由衣子を自分の胸元に引き寄せ、ぎゅっーと優しく抱きしめてやった。
俺もそうしてやりたかったが・・・。
でも今は俺がするよりも、俊彦がしてくれた方が由衣子も救われるだろう。
- 691 名前:「喪失」・13[sage]:2005/06/16(木) 18:54:29 ID:FZw6vO7M
- 上記13
一行目に抜けている部分ありデス・・・。
正しくは
俺が真っ青な顔をして戻ってきたのを確認したからだろうか。
母さんと由衣子だけでなく、俊彦も何も言わずさっきからずっと俯いたままだ。
ごめんなさい。
- 692 名前:「喪失」・14[sage]:2005/06/16(木) 18:55:01 ID:FZw6vO7M
- 「由衣子のせいじゃない・・・。アイツが間抜けなだけだ・・・。」
放心したように呟く俺の言葉に、誰も言葉がなかった。
母さんも俊彦も、そして俺も。
誰がいけないかなんて今更言ったって、不毛な事だと分かっている。
震える涙声を隠そうともせずに、母さんは一番重要な事実を俺に告げた。
「真一・・・。のだめちゃんの中ではね・・・今5年前みたいなの。
先生に聞かれて、のだめちゃん、自分の歳を・・・18歳って言ったのよ・・・。」
−−-18歳のアイツ。
18歳の時のアイツと、俺はどんな言葉を交わした事があっただろう?
いや、それどころか・・・。状況はもっと深刻だ。
だって俺達、その頃にはまだ、出会ってさえいなかったんだから・・・。
俺は一人、目の前が真っ暗になるのを感じていた。
- 693 名前:「喪失」・15[sage]:2005/06/16(木) 18:55:34 ID:FZw6vO7M
- 久しぶりに三善家は、千秋と夕食を共にした。
ただそこには、一家団欒なんていう暖かい響きも雰囲気も全く無く・・・。
誰もが皆黙々と、目の前にある料理に機械的に口を運んでいた。
「由衣子、全然食べてないじゃないか・・・。」
さっきからスープしか口にしない由衣子を、竹叔父さんが心配そうに見つめている。
何だかこちらが居た堪れない。
「・・・そういえば、千春叔母さんは?」
気まずい空気を打破する為にも、俺は話を逸らすかのように俊彦に尋ねた。
「母さんは、高校時代の同窓会があるって、今、神戸に行ってる。
久しぶりに実家にも寄るってさ。一週間位したら帰ってくるんじゃない?」
「そっか。」
---そういえば、今日、本当ならば、夕食はのだめが鍋を作るはずだった。
あのメールを最初に見た時、夏なのに鍋かよ?と、心底呆れさせられたんだっけ・・・。
”のだめ、お鍋とおにぎりには自信があるんデス!!”
でも今は無性に・・・アイツの作った鍋が食べたかった。
- 694 名前:「喪失」・17[sage]:2005/06/16(木) 18:56:26 ID:FZw6vO7M
- 「こんな事になるとは・・・。急いで帰ってきたんだが、何も力になれなくてすまんな、真一。」
竹叔父さんが俺に詫びた。
一報を聞いた叔父さんは、急遽、出張先の愛知からとんぼ返りしてくれたのだ。
「いや、迷惑かけたのは俺達の方だし・・・。みんなも、色々ごめん。」
俺は申し訳なくて、ただ頭を下げるだけだった。
「のだめちゃんには、誰か付き添わなくてもいいのか?」
「ええ。今の所、身体の怪我の方は大した事無いから、付き添わなくていいって先生に言われたの。」
母さんが小さな声で答える。俺も俊彦も何も言わず、母さんの説明を聞いていた。
「頭の方は、一応明日もっと詳しい精密検査をして・・・。だからその結果が出るまでなんとも言えないみたい。
先生が言うには、どうも健忘症の症状に近いって言うんだけど。」
「健忘症・・・。」
「・・・記憶障害は、色々判断が難しいらしいの。明日急に思い出すかもしれないし・・・。
またはそれが1週間後だったり、1ヶ月後だったり・・・。」
「一生思い出せない、って可能性も否定できないそうだ。」
母さんの話で一番言い難いことを、俺は付け加えた。そうした方がいいと思ったからだ。
「・・・難しいな。」
竹叔父さんはそう呟いたきり、それ以上は何も話さなかった。
結局、みな夕食のあらかたを残し、久しぶりの家族水入らずは、重苦しい空気のままお開きになった。
- 695 名前:「喪失」・18[sage]:2005/06/16(木) 18:57:23 ID:FZw6vO7M
- ---その夜。
各々自分の部屋に入ってしまったせいか、三善の家は怖いくらいに静まりかえっていた。
千秋は風呂から上がると、急に思い付いたかのように、二階の一番左奥にある客間へ足を向ける。
客間のドアを静にそっと開けると・・・、そこにはのだめのキャリーバックがポツンと置いてあった。
今日着いたばかりだったからであろう。まだほとんど荷解きもしていない状態だ。
---本来ならば、今ここに”のだめ”が居るはずだった。
そう思うと千秋は何だか居た堪れなくなり、すぐに客間の扉を閉め、踵を返すと自分の部屋に向かった。
自分の部屋の扉を勢いよく開け、後ろ手でガチャンと閉める。
そうして、明かりもつけないまま自分のベットに飛び込むと、頭から布団をかぶってしまった。
久しぶりの懐かしい自分のベッドの感触だったにも関わらず、千秋はその夜、殆ど一睡も出来なかった。
- 696 名前:「喪失」・19[sage]:2005/06/16(木) 18:58:28 ID:FZw6vO7M
- 朝一でのだめの病院に行くと、ちょうど今から精密検査が始まる頃だった。
もしかして今朝になったら記憶が戻るかも・・・、と思った淡い期待もすぐに打ち砕かれる。
「のだめ、何で、忘れちゃってしまったんでしょうかネ?」
と、開口一番アイツに言われたからだ。
「何で・・・って、頭打ったからだろ?」
俺はそう苦笑したが、のだめの中ではまだ上手く整理がついていないようだった。
・・・そうだよな。あいつは18歳の記憶のまま、今ここにいるんだから。
そう思うだけで、俺は胸が苦しくなった。
昨日、あの後、俺はもう一度のだめの病室に一人で行った。
失ってしまったアイツの記憶を、今に至る時系列を、一応簡単に話してやったのだ。
隠していてもはじまらない。時間は一瞬たりとも止まってくれないのだから。
のだめは・・・、のだめの中の時計は、ちょうど音大に合格して上京したばかりらしい。
試しに『もじゃもじゃ組曲』の話をすると、谷岡先生と1曲目を仕上げたばかりだと嬉しそうに話した。
「・・・で、今、お前はパリのコンセルヴァトワールでピアノ留学をしている。」
補完の為の状況説明をそう最後に締めくくると、のだめは、むきゃー!とあの奇声を上げた。
「の、のだめがデスか?な、なんでパリに?」
「何でって・・・。ピアノの勉強の為だろ?」
「のだめ、幼稚園の先生になりたいんですヨ?諦めちゃったって事デスか?」
- 697 名前:「喪失」・20[sage]:2005/06/16(木) 18:59:23 ID:FZw6vO7M
- ---そう言えばコイツ、昔そんな事言っていたな・・・。
俺がもっとピアノを頑張らないのか?と尋ねた時、コイツはその言葉を笑い飛ばしていたっけ。
でも。
あの後ハリセンについてコンクールに挑戦し・・・、そして俺と一緒にパリに来た・・・。
のだめの中に、どんな気持ちの変化があったかは、俺にだって全部は判らないけど。
それでもあの大川で・・・、
”のだめもピアノがんばりマス!いつか先輩とコンチェルトしたいから。”
そう言ってくれたのを、俺はまだ昨日の事のように鮮やかに憶えている。
---お前が憶えていなくても、俺はちゃんと憶えている。
「俺と一緒にコンチェルトするのが夢だって・・・そう言ってたかな。」
少し恥ずかしかったが、俺は正直にそう答えた。
「へ?コ、コンチェルト・・・?」
・・・のだめは相変わらず、頭から疑問符を出しまくりだったけど。
「俺とお前のゴールデンコンビは、世界中から演奏依頼が来るんだってさ。」
「でも、のだめが、ピアノって事ですよネ?それじゃー、ち、千秋さんの楽器は何ですカ?」
「千秋”先輩”」
俺がそう言い直すと、
「千秋”先輩”?」
のだめは鸚鵡返しのように素直に繰り返した。
- 698 名前:「喪失」・21[sage]:2005/06/16(木) 18:59:57 ID:FZw6vO7M
- 「そ。お前は俺をそう呼んでいた。”先輩”って・・・。」
「千秋先輩、千秋先輩、千秋先輩・・・。」
「まじないの呪文みたいに言うな!ったく。」
「ぎゃぼ!ゴメンナサイ!」
「俺は指揮。で、お前はピアノ。」
「千秋先輩が指揮で・・・、のだめがピアノ?」
「うん・・・。」
「ほわぁー。のだめがコンチェルトですかぁー・・・。」
信じられないと言った風に、のだめは何度も首を傾げていた。
---本当はさっき・・・、のだめに”千秋さん”と呼ばれて心臓が凍りついた。
今、目の前にいるのは、絶望的にまで俺の事を忘れてしまった”のだめ”。
確かに”のだめ”なのに、俺の知っている”のだめ”じゃない。
泣きたくなるってこういう事なのか・・・?
でも、俺はそんな事、億尾にも出さないように話を続けた。
「ま、そういう訳だから。また明日、みんなで来るよ。今日はもう休め。」
「は、はい・・・。」
「まずは、体の方を治さないと。記憶の方は・・・、おいおい考えよう。」
「・・・ご迷惑、おかけしまして、誠に、も、申し訳ありまセン・・・。」
- 699 名前:「喪失」・22[sage]:2005/06/16(木) 19:00:25 ID:FZw6vO7M
- ---昨日あの時、のだめは可哀想な位、俺に恐縮していた。
俺の方も、のだめが記憶を失ったと知ったばかりで、混乱していたから。
・・・だから少し、色々とぶっきらぼうな言い方だったかもしれない。
でも、記憶を失って一番心細い思いをしているのは俺じゃない。
アイツだったんだよな?・・・俺は反省した。
だから今日は、なるべくアイツの負担にならないような言葉をかけてやらなきゃいけないと、
朝、三善の家を出る時決意したのだ。
「昨日は良く眠れた?」
「ええと・・・、チョト、眠れなかったデス・・・。色々考えちゃって・・・。」
「俺も・・・良く眠れなかった。お前が心配で。」
「ええっ?の、のだめのせいですカ?」
「うん。だから、早く元気なってくれ。・・・俺の為にも。」
俺は照れながら、でも出来るだけ優しく言った。
のだめにもそれは伝わったんだろう。頬っぺたをピンク色に染めてハイ、と俯いた。
---それはすごく可愛くて・・・アイツが見せる・・・俺が好きな表情のひとつだった。
- 700 名前:「喪失」・23[sage]:2005/06/16(木) 19:00:54 ID:FZw6vO7M
- 「検査はこれからだろ?緊張してないか?・・・あ、腕とか、身体の方はもう大丈夫?」
「落ちた時にぶつけた箇所は結構な青あざになっちゃってて、まだ痛いんですケド・・・、
それ以外は・・・、もう大丈夫デス。」
「そっか。でもお前、木から落ちたのに、大した怪我が無いなんて凄いよな。よっぽど丈夫なんだな?」
「むー!のだめ、きっと、落ち方が上手かったからですヨ!」
「普通、人間は落ちないようにするもんだ。って言うか、そもそもいい歳した女は木には登らない。」
「ムキャーーー!!千秋先輩、ひどいデス!!」
「ははは。ま、丈夫なのは、俺が肥えさせてやってんだから、当然だな。」
「こ、肥えさす?のだめ。ぶ、豚サンじゃないですヨ!?」
「お前・・・、俺が食わしてやった恩も、綺麗サッパリ忘れてんだな・・・。」
「ぎゃぼーん・・・スイマセン・・・。」
「ま、俺もお前の凄〜い料理、食わして貰ったけどな?」
「へ?のだめが千秋先輩に?しゅ、しゅご〜い料理?」
「のだめちゃん、山口先生が呼んでるわよ?」
いつの間に来ていたのか、母さんが後ろから声をかけた。
「精密検査、今からはじめますって。」
「は、はい。じゃ、のだめ行って来ますネ。」
俺達にそう言うと、のだめはベットを降りて検査室の方へ向かった。
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