■戻る■ 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 801- 901- 最新50  

のだめカンタービレ3

301 名前:10[]:2005/04/14(木) 02:47:37 ID:2X8zxngT
「おま…こんな朝から…どうした?」
「あ…あの…先輩…」

そこからは上手に言葉が出てこない。
何かを悟ったのか千秋はのだめを室内に促し、ソファに座らせた。

「コーヒーでいいか?」
「あ、紅茶でお願いします!」
「図々しい奴だな…」

湯気の立つティーカップをのだめに渡すと、千秋はのだめの隣に腰掛けた。

「どした…?」
「あの、先輩、のだめがいいって言うまで目を開けないでください…」
「はぁ〜?またかよ。もうコタツはやめてくれよ…」

しぶしぶとのだめの言う通りに目を閉じる千秋だった。

少しの沈黙の後、のだめは意を決して、話し始める。


302 名前:11[]:2005/04/14(木) 02:48:42 ID:2X8zxngT
「あの、こないだはごめんなさい。
先輩疲れて帰って来てるのに、困らせることばっかり言っちゃって…。
のだめ…あの…前の…
初めての時、先輩と一つになれて、すごく嬉しくって、でも、なんかよく考えたら…
先輩は初めてじゃなくって、色んな人と多分きっとしてて、
彩子さんとか、家庭教師のお姉さんとか…
それで、ちょっと、ううん、うんとだと思うんデスけど、その人たちに嫉妬しちゃって
悔しかったのと恥ずかしいので消えちゃいたくなって…。
それで、つい、嫌なこと言っちゃって…あの、ごめんなさい。」

先輩は、小刻みに震えている。
やっぱり怒ってマスよね…。でも伝えないと…!

「でも、先輩はもう嫌になっちゃったかしれないけど、のだめはやっぱり先輩と離れたくないデス…!」

そこまで言うと、急に先輩がこらえきれないように吹き出した。

「ぶっ、ぎゃはは、おま、あんまり笑わすな。誰だよ家庭教師のお姉さんって!」
「な…ひどい!のだめ真剣に言ってるんデスよ!」
「もう目ぇ開けていいだろ?」

303 名前:12[]:2005/04/14(木) 02:50:14 ID:2X8zxngT
目を開けた千秋はまだ笑い足りない様子だったが、のだめの真っ赤な顔を見ると
咳払いを一つして、真剣な表情になった。

「のだめ」

そう言って抱き寄せ、耳元でささやき続けた。

「俺は…お前に辛い思いさせちゃったから、もう嫌われたかと思ってた。でも、良かった…。」
「嫌いになんて…なる訳ないじゃないデスか…」
「いいから黙って聞いて。
お前は俺の昔のこととか気にするかもしれないけど、今、これからも
お前のことしか好きじゃないから安心しろ。
それに、なにコンプレックス持ってたのか知らないけど、その、体とかは
ストライクゾーンど真ん中だから…。」
「ぶはっ、セクハラです!」
「なに今更言ってんだ…もう他人じゃないんだから。」
「妻…?」
「と、ともかく、その、また前みたいにお前のこと、この先何千回も抱くと思うんだけど…嫌か?」

のだめは真っ赤になりながら、俯いて答えた。


「ゃ、やじゃないです…。」


304 名前:13[]:2005/04/14(木) 02:51:25 ID:2X8zxngT
「せ、先輩、電気消してください」
「消してる。」
「でも、まだ明るいデス…全部見えちゃう…」
「仕方ねーだろ。朝なんだから。」

そう言うと、千秋はのだめの服を順番に脱がせる。
必死に見えないように、手で胸を隠したりしているのだめだったが逆効果だ。

「のだめ、それは手ブラって言ってだな…もういい…」

強引にその手を取り去ると、乳首をねっとりとねぶり始める。
カリと軽く噛んでやると、ひと際高い嬌声を上げた。

「あぁっ…!ん…んっ…あ…きも…ちい…」

その言葉につい反応してしまう。

「今、気持ちいいって言った?」
「え…い…言ってない…」
「嘘付け…乳首感じるんだ…」

恥ずかしさに顔を背けるのだめの両方の先を指で執拗にいじると、眉間に皺を寄せて
可愛い声で鳴き始めた。

「あ…あん…あんっ…う…だめ…んっふ…」


305 名前:14[]:2005/04/14(木) 02:52:09 ID:2X8zxngT
のだめをベッドに座らせ、背後から再び両方の先を弄ぶ。
そして、のだめの首を後ろに向かせ、息もつかせない激しいキスをする。
すると、行き場の無いのだめの両手は俺の太ももの辺りをさわさわとさまよい、ますます一点が充血してくる。

「ん…んーっ…あ…はぁはぁ…背中に…」
「うん…お前が可愛いから…こんなになっちゃった…どうする…?」

言いながら手を下にスライドさせ、蜜のしたたる場所まで到達した。
片手で乳首をこね回しながら、中指をのだめの奥まで侵入させる。

くちゅり…くちゅり…

抵抗は全く無く、のだめはその進入を受け入れている。

「あぁぁ…あぁ…せんぱい…なんかのだめまた変な感じで…あっ…!」

中指を中に入れ、クイッと上壁を刺激するとまたも敏感に反応する。
親指でクリトリスを同時に責めると、のだめは掠れた嬌声を上げ続ける。

「あんっあぁあ!いやぁ…!あっあっあっ…!もうダメぇ!」

腕の中でのだめが急に力を抜いてしなだれかかってきた。

「すぐイッちゃうんだな…」
「嫌っ言っちゃやデス!」

そう言って涙目で振り返り、おれの言葉を遮るようにキスをしてくるのだめが最高に愛しい。


306 名前:15[]:2005/04/14(木) 02:53:09 ID:2X8zxngT
さっきから我慢汁がとめどなく流れてのだめの背中を汚している。

「のだめ…」
「はい…」

俺の誘導に応えて、仰向けになるのだめの上に覆いかぶさり、胸を揉みながらキスをする。
そして、誘うように蜜を出し続ける膣口に限界まで隆起した自身をこすりつけると
今度は一気に突き刺した。

「あっ…あぁぁ、そんな…はっ…!あん…」

根元まで挿入させると、じっとしたまま形を覚えさせる。
そして、ゆっくりと動き始めた。
深く…浅く…。
その度卑猥な音が響き渡り、あまりの気もちよさに意識を手放しそうになるが、それはのだめも
同じなのだろう。

307 名前:16[]:2005/04/14(木) 02:53:42 ID:2X8zxngT
前回とは違い、俺自身に対して快感を感じているのか、だらしなく開いた口唇から唾液が一筋流れ、
のだめの顎を濡らしている。

「あっあぅ、あっあっ…!ぁぁあ……また…!」
「うん…いいよ…」

つながったままキスを繰り返すと、のだめの中にビクビクと波が起こり陰茎を刺激する。
どうやらまた絶頂を迎えてしまったようで、余力の無い腕が、かろうじてシーツを握り締めている。

もう、俺も限界だ…。
のだめの両足を体幹の上に折りたたむと、深く深く挿入し、ベッドがきしむ程抽出を繰り返す。

くちゅっくちゅっくちゅっくちゅっ
結合部から流れ出した液がシーツにシミを作り出しているのを確認した後、
俺は絶頂を迎えた。

308 名前:17[]:2005/04/14(木) 02:54:29 ID:2X8zxngT
「はぁ…はぁ……恵……。」

気だるい快感が全身を覆い、のだめに体重を預けて息を整える。

「先輩…」
「すげー…やばい…」
「ん…な、何がデスか…?」
「離れられなくなりそうで…」
「え…」
「少し離れてたから、なおさらかな…」
「それってインポになったってことデスか…?」
「はぁぁぁぁ〜!?」
「だって、ターニャが、のだめの話聞いて、先輩がインポになってるんじゃないかって…」
「………もう、喋りたくない…」
「えっ…なんでデスかぁ?」

309 名前:17[]:2005/04/14(木) 02:55:44 ID:2X8zxngT
おわり

(ちょっと朴り)

310 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/14(木) 08:21:20 ID:VnCGAzAq
続編GJ! 千秋ものだめもエロかわいくてイイ!
できれば次があるならsageてくれると嬉しいな。
メール欄に半角でsageです。

311 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/14(木) 10:03:59 ID:/cWDcAKL
面白い…GJGJ!!
笑いっぱなしだったよ。ツボついてくるなあ。

312 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/14(木) 10:42:07 ID:U5He4lHP
GJ!!家庭教師ネタ、ワロタ
ターニャとのガールズトークもGJ!

313 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/14(木) 12:28:52 ID:K9Cck3N5
GJ!
うまいな。

314 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/14(木) 18:03:09 ID:uvRTghOm
またもGJ!
原作のギャグと、エロがうまく融合してる感じ。
山賊千秋・ルパン千秋も絵が浮かんでワロタw



315 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/14(木) 18:34:22 ID:jkK7eN4U
GJ!GJ!GJ!
のだめアホカワイイ・・!!!


316 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/14(木) 19:56:31 ID:uvRTghOm
のだめの可愛さを表現するってどうしたらよいんだろうと思ってたら

アホカワイイ

これ、ぴったりですね。

317 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/15(金) 00:10:13 ID:NOVJORYS
野田恵たんはアホカワイイ

318 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/15(金) 00:22:50 ID:j8Z4MdzS
GJ!GJ!GJ!GJ!
あほかわいいのだめが最高でしたよ!
おまけに山賊ルパン三世千秋が最高!
続編楽しみにしてますよ〜!

319 名前:1[sage]:2005/04/15(金) 11:19:17 ID:7ElZF0LW
いつもの夕食時。
その日のメニューは、八宝菜で、相変わらずよく来るし、よく食うのだめを
見ながら、たまごスープをテーブルに並べている時のことだった。

「ふぎ〜…おいしいデス!ユンロンもびっくりデスよ先輩!」
「そりゃどうも…。それより、お前明日の休みは用事あるのか?」
「たまごが固まりすぎデス…」
「聞け。明日、日本の出版社が俺の取材に来るんだと。
ヒルトンホテルのディナー付きだけど、お前…来るか?」
「ヒ、ヒルトン!?」
「あぁ、一回は断ったんだけど、エリーゼのプロメテウス…じゃなくて
プロモーションの一環だから、拒否権は無いらしい。」
「行きます行きマス!ほわぁ、また特大ピンナップですか〜…」
「違う!お前!来るなら恥かかせんなよ…。」
「分かってマスよ。ぎゃは〜何着てけばいいデスかね〜…」

ったく…。
ほんとはこいつを連れて行きたくなんて無いんだけど
また腹空かせてぴーぴー言うだろうし、俺一人で行ったら何言われるか分かったもんじゃないし…。
黙って行こうにも、こいつの諜報能力はCIAも真っ青だし、止むを得ないか。
ましてや、日本で発売されるであろう音楽雑誌と、その読者(特に峰)のことを
考えると、間違ってものだめの匂いを嗅ぎ付けられてはマズイんだけどな…。

ご機嫌になったのか、のだめは鼻歌を歌いながら、珍しく食器の片付けをし始めた。

ま、いいか…。なんとかなるだろ…。

320 名前:2[sage]:2005/04/15(金) 11:19:55 ID:7ElZF0LW
翌日、天気は快晴で、まさに取材日和だ。
約束の時間は二時。
まだ十分時間はある。
シャワーでも浴びてこようと、隣で寝るのだめの肩に布団を掛けなおしてベッドを後にした。

しかし、たかが取材の為に高級ホテルで食事なんて、なにか裏がありそうだな…。
純粋に音楽のことだけ聞かれればいいんだけど…。
ふっ…何を聞かれるんだろう。
千秋さんの才能の秘密は?とか、今後の展望は?とかかな…
嫌味にならないように答えなきゃな…。

たっぷりとバスタイムを楽しみ、体をクールダウンさせようと、冷蔵庫から
ミネラルウォーターのボトルを出し、そのままソファに腰掛ける。
…が、まだのだめは目覚めて無い様子で、寝室から寝言が聞こえてくる。

「ううん…島田君…むにゃ…」

聞き間違いか?
今のだめの周りにはいないであろう名前が聞こえた気がしたが…。

321 名前:3[sage]:2005/04/15(金) 11:21:47 ID:7ElZF0LW
「のだめも…しま…く…」

千秋は今夢に出ているであろう人物の事が気になり、とっさにのだめの肩を揺らしながら声を掛ける。

「おい!」
「むにゃ…わっ!何…」
「何じゃねーよ。何の夢見てたんだよお前!」
「夢……?」

急に起こされて、目の前にいる千秋は不愉快な顔で怒鳴っている状況。
のだめは今何が起こっているのか把握するのにしばしかかったが
素直に質問の意味を考え始める。

「夢……見てましたっけ?んーー…、ミルヒがエッチな下着買ってくれたとこまでは
覚えてるんデスけど〜…」
「……もういい…」

そこまで聞いてなんだか続きを聞くのは疲れそうなのでやめておいた。
多分、聞き間違いなんだろうな…。

322 名前:4[sage]:2005/04/15(金) 11:23:12 ID:uEjTiWpP
「ほれ、早く起きろよ。もう昼だぞ。」
「ぎゃぼっ!ほんとデス!今日は気合入れて支度しなきゃいけないのに!
もー、先輩が夜中まで…!パンツ履く暇も無いデスよのだめ!」
「げほげほっ!……も、もう、いいから早くシャワー浴びてこい。
あと、気合は絶対入れなくていいからな。」
「どういう意味デスかぁ?」
「いや、い、いつも通りが可愛いって意味だよ。他意は無い…。」
「ぎゃはぁ。ではお風呂行ってきます!」

そう言うとのだめは近くにあったバスタオルを体に巻きつけスキップでバスルームに向かった。

パンツ履く暇ねーって、仕方ねーだろ、んなの。

千秋は顔を赤くしながら、脳内で言い訳をしつつ、白いシャツに袖を通した。

323 名前:5[sage]:2005/04/15(金) 11:24:16 ID:uEjTiWpP
その後は、ど下手くそなあいつの化粧を直してやったり、ノースリーブを着ていた
のだめを、出来るだけフォーマルな白いワンピースに着替えさせて、やっとのことで
ここ、ヒルトンホテルのロビーにいる訳なんだけど…。

「取材の人どこデスかね?日本人なんでしょ?」
「あぁ。目立つと思うんだけどな…。」

そう言って、きょろきょろと、白人ばかりが座り、談笑を楽しんでいるロビーをぐるりと見渡した。

と、その時______

「のだめ!!」

驚いた顔で、持っていたバッグを落としながら、ぽかーんと口を開けている東洋女性が一人。
しかし、次の瞬間満面の笑顔でこっちに…のだめに近づいてきた。

「のだめ、のだめじゃなか!?」
「ほぎ〜………あっ!!ユキちゃんやなかとデスか〜!!」
「うわぁ、嘘みたい…なんでフランスばおるの?」
「のだめは留学ちしとるとばい!ユキちゃんこそ、どげんしよるかん?」
「なんちゃなかぁ!仕事で来とるとよ!おいは今出版社で働いとるで!」

なん…なんだいきなり?
知り合い…か?

324 名前:6[sage]:2005/04/15(金) 11:25:22 ID:uEjTiWpP
「おい、のだめ…」
「先輩!すごい偶然デス!高校の同級生なんデスよ!こんな地球の裏側で会うなんて嘘みたいデス!」

そう言って俺を嬉しそうに見上げる。
ユキと呼ばれていた、いかにもなかっちりスーツを着ている女性は、のだめとの再会に
呆けていた顔を、すかさずシフトチェンジし、俺に向き直った後、再度驚いた顔をする。

「え…?のだめの彼氏さん…?でも…」

そう言ってカバンをごそごそと探り、取り出した写真と、千秋の顔を見比べた。

「ぎゃはぁ、そうばい!あいはのだめのスイートダーリン、千秋先輩ばい!」
「え…?千秋?千秋、真一さんですか?」
「な、なんで先輩のファーストネーム…」
「おいは…じゃない。私、この人の取材に来たの!」
「え…じゃあ…」
「す、すいません!申し遅れました!私、桶須出版の浜田ユキと申します!
千秋さんの名前は、日本の音楽界でも、有名で、駄目元で取材の申し込みをさせて頂いたんですけど
プロダクションの方に快くOKして頂いて…本日はありがとうございます!」
「あ、あぁ…千秋、千秋真一です。」

そう言って差し出された右手を握り返す…が、手を離してくれない。

325 名前:7[sage]:2005/04/15(金) 11:26:40 ID:uEjTiWpP
「はぁ〜、写真でみるよりずっと素敵ですね…」
「え…はぁ…どうも………あの…手…。」
「あっ!す、すいません私ってば!み、見とれちゃって…」
「ちょっとユキちゃん!先輩に色目使ったら駄目ぇ!」
「な、なによ、色目って!のだめこそ、こんなかっこいい人…」

言い争う二人に周囲の視線が集まるのを感じ、まだ言い換えそうとするのだめの口を
慌てて手のひらで押さえる。

「もが〜!もごっ!」
「あの、移動しませんか?あの、お願いですから…」
「あっ、すいません!お部屋にご案内します!カメラマンが待機しているので…」

そう言ってのだめをにらみつけながら、歩き始めた彼女の後に付いて歩き始める。

しかし、類は友を呼ぶ、割れ鍋に綴じ蓋、変態には変態だな…。

そう考えながら、今日一日の事を考え、憂鬱そうにため息をつく千秋だった。


326 名前:8[sage]:2005/04/15(金) 11:27:45 ID:uEjTiWpP
「次は、斜め上を見ながら……そうそう、ちょっと悲しそうな顔で…はいOK!」

一体何枚写真を撮る気だ…。
しかも、ポーズまで指示してきやがって…!

部屋に入ると、まるでグラビア撮影のような照明と、反射避けの白い布が掛かっている状況に
少なからず面食らった千秋だった。
案の上、さっきから何枚も色んなポーズで写真を撮られている。
のだめは、部屋の隅に追いやられ、椅子に座ってこちらをじっと見ている…がその表情は明らかに
不機嫌なものだった。

俺だってこんなこっぱずかしいことやりたくない!
でも、部屋に入るなりホテルマンがエリーゼからの手紙を持ってきたからだなー…
何が“分かってるわね”だ!
くそ、あの鬼畜ドイツ人が!!

「いい加減にしてください!ユキちゃん!
なんでそんなに何枚も撮るんですか!?のだめだってそんな一杯写真持ってないのに!」
「何言ってるのよ、これはね〜仕事なの!し・ご・と・!」
「嘘!どう考えてもユキちゃんの趣味でしょ!もー、ずるい!ポラください!」

唯一の命綱だったのだめは当てにならない…。
しかし、本当にもういい加減にしてくれ…。

そう考え泣きそうになる千秋だったが、カメラマンもそろそろ疲れたのか
彼女にそろそろ止めようと進言してくれているようだ。


327 名前:9[sage]:2005/04/15(金) 11:28:45 ID:uEjTiWpP
「そうね…もう十分撮ったし…そろそろインタビューに移りますね。」

そう言って撮影機材を片付け始めた。
俺はのだめの隣の椅子に腰掛けながら、その様子をぼーっと眺めていた。
もう、疲れてできれば話すのもだるいが…。

「先輩…もうディナーはいいデス。食われちゃいますから帰りましょ。」
「ばーか、んな訳にいくかよ。そんな事したら後でどんな目に遭うか…」
「大げさですよ〜!」

げはげはとのだめは笑っているが、大げさじゃないんだよ。
エリオリコンビは…。

片づけが終わり、テーブルにユキも腰掛けると、録音用の小型テープのスイッチを押した。

「では、改めて、よろしくおねがいします。」

さっきとはうって変わって丁寧にお辞儀をしてくる彼女に、こちらも気を取り直す。

「では、今からインタビュー始めます。
えっと、千秋様…千秋さんは、若干23の若さでありながら…」

録音しているせいか、一時間程の取材は、まぁ予想通りのまともなものだった。
俺は、正直に今の思いとか、今後のこととか、こっちでの生活やらを話し、いい記事になったのでは
ないかと自画自賛している時、終盤に差し掛かって、思いもがけないことになった。
それまで、お利口に黙っていたのだめが、口を挟み始めたのだ。

328 名前:10[sage]:2005/04/15(金) 11:29:16 ID:uEjTiWpP
「先輩、のだめのこともお話してください!」
「はぁ〜!?なんで…」
「だって、先輩は日本の6000万乙女の憧れの的なんデスよ!
もう、のだめ降りかかる火の粉を払うのはうんざりなんデスよ!」

そう言って、ユキの方を見ながら訴えてくる。

「ば…バカかお前!なんだ6000万乙女って。星の瞳かよ!」
「そうよのだめ!そんなことしたら、今後写真集…じゃなくて、今後の取材にも
障るでしょうが!もー、あんたは昔から人を振り回すんだから!」
「なんでデスか?ただひとこと、こっちで一生のパートナーが出来たって言ってくれればいいだけなのに…」
「ぶはっ、何が一生のパートナーだ…」

そう言って、のだめのことを小突こうとしたが、あまりの真剣な表情に、上げた右手を下ろした。

「あの…じゃあそれでお願いします…」
「えっ、書いちゃっていいんですか?」
「はぁ…」
「先輩…大好きデス…」
(アホかこいつら…)

なんだかんだ言ってのだめのわがままを聞いてやる千秋だった。

329 名前:11[sage]:2005/04/15(金) 11:30:20 ID:uEjTiWpP
「じゃ、じゃあそろそろ下に下りませんか?」
「あ…もう6時か。」
「はい!VIP用の個室を予約してあるんですよ!」

ユキに促され、レストランに降りていく3人。
カメラマンは時差ぼけで眠たいようでせっかくのディナーはキャンセルした為
千秋は正に四面楚歌な状況を実感していた。

いがみ合っていたのだめとユキだったが、やはり懐かしさもあるのか、エレベーターの中でもう
仲直りし、千秋に分からない言語と話題を話し始める。
疎外感を感じながらも、のだめの昔話が聞けるかも…と、ディナーとは別に、少なからず期待するのだった。

世界のヒルトンだけあって、やっぱり料理は一流だった。
ワインと料理も絶妙の組み合わせで…
気付いた時にはのだめは、前後不覚になるまで泥酔していた。
しかも、その飲み相手であるユキも同様に…。
個室であり、フルコースを通した後の為、給仕も下がっている、正に3人だけの空間であることが
酔いに拍車を掛けたようだった。


330 名前:12[sage]:2005/04/15(金) 11:33:12 ID:ShXVYVLb
「のだめ〜ほんとあんた出世しちゃって、こ〜んないい男捕まえちゃってサ、
音大だって、受験したことすら秘密にして〜。ていうかあんたいつピアノなんて弾けたのよ〜。
聞いたことも見たことも無いっつーの!」
「何言ってんデスか〜、のだめのピアノは最高ですよ〜ねっ先輩?」
「あ?あぁ」
「もーラブラブもいい加減にしてよね〜。こっちは男日照りだっつーのに!
あんたは昔から、みんなの憧れの人をさらりと攫ってくんだから〜!」
「ぎゃは〜、何言うとデスか!」
「そうじゃない、島田君だって、あんたいつの間にか…」

島田…?って誰だ?
のだめの顔を見て反応を窺うが、すでにべろべろで、グラスに話しかける勢いだ。
朝聞いた名前は聞き間違いじゃなかったのか?

「そんなことより、ユキちゃん、またあのモノマネやってくださいよ!
マッサージ椅子に座ってる豊臣秀吉!」
「え〜、仕方ないわね、一回だけだかんね!」

そう言っておもむろに、声を震わせて、どうもー豊臣秀吉でーす!と声を張る彼女に
大爆笑するのだめだったが

悪い…全然笑えね〜。
というか島田って誰だよ!


331 名前:13[sage]:2005/04/15(金) 11:34:15 ID:ShXVYVLb
小一時間二人で盛り上がっていた二人だったが、しばらくすると、のだめはテーブルに伏せて
すやすやと寝息を立て始めた。
それとは対照的に、少しずつ酔いが醒めてきたのか、ユキはミネラルウォーターを飲み始めた。

「のだめ…お酒弱いのね〜」
そう言って勝ち誇った笑みでのだめを見下ろすユキに、俺はさっきから気になっていることを聞いてみた。

「あの…浜田さん、こいつの高校の時ってどんなんだったんですか?」
「どうって…このまんまですよ。いっつも変なことばっかり言ってて、みんなを煙に巻くタイプというか…。
本能で生きてるっていうか…。基本的に普通の常識は通用しなかったですね。
あ、でも友だちは多かったです。色んなジャンルの変人ばっかりでしたけど…」

へー…
考えてみると、こいつの昔の話って初めてだな…。
友だち多いなんて意外だな。まぁ嫌われるタイプではないけど。
優しい時もごくごく稀にあるし…。

そう思い、幸せそうに寝ているのだめの顔をゆるんだ顔で見つめてしまう。
…と、呆けている場合ではない。
肝心なことを聞いてなかった。

332 名前:14[sage]:2005/04/15(金) 11:35:08 ID:ShXVYVLb
「なるほど、あの…それで、彼氏とかは…いたんですか?」
島田って言うんだろその男は!!
「え……?あー…ど、どうだったかな…」
わざとらしくとぼけているが、もうネタは上がってるんだよ!

テーブル照明用に置かれている、ミニキャンドルをユキに近づけ、まるで
取調べのデカのようにさらに尋問する。

「わ、分かりました。吐きます吐きますから…」
姿勢を正し、グラスに入った水を一気に飲み干すと、ユキは諦めたように話し始めた。

「彼氏…っていうか、当時テニス部のキャプテンで、ファンクラブもあるような
爽やかな好青年がいたんですけど…もう、学校中の女生徒の憧れの的で…。
3年生の時、のだめとその島田君って人が同じクラスになったんです。
島田君は結構前からのだめのことが好きだったみたいで…。
この子も黙ってれば可愛いからだと思うんですけど、島田君がのだめに猛烈アピールをしてた時期が
あったんです。」

やっぱり…な。
結構ショックだが、やっぱり誰から見ても可愛いんだな。
こいつ、俺に黙って…そんな軽そうな男と…!
テニスやるなんてよっぽどチャラ男に決まってる。
ふふ、でも、こいつの処女は俺様がもらったんだよ…!
島田破れたり!!

333 名前:15[sage]:2005/04/15(金) 11:35:46 ID:ShXVYVLb
「あの…聞いてますか…?」
不敵な笑みを浮かべている千秋を薄気味悪そうな視線で見ながらも、ユキは話し続けた。

「それで、誰から見ても分かりやすいアピール…帰り道で待ち伏せして一緒に帰ったり
無理やり同じ委員会にしたり…してて、急速に二人の仲は近づいて…。
のだめもあの当時は島田君のこと好きだったんじゃないかな〜。
付き合うことは無かったんですけど、今思うと、その時期のだめ音大受験でいっぱいいっぱいだったのかも…。
ファンクラブの子に呼び出されても、必死で交際を否定してて…
ほんと、なんだったんですかね?
結局卒業してから、彼は地元の企業に就職して、去年結婚したから、まぁ二人は
高校時代からは発展せずに終わったと思うんですけどね。」

そこまで話し終わった時、ふいにのだめがむっくりと体を起こした。

「先輩…のだめ吐きそうです…」
「わーーーっ!バカ!トイレ行け!」
「だっこ…いつもみたいにして連れてってくだサイ…」
「ば…そんなことしてないだろ!」
「うっぷ…」
「分かった!分かったから…」


その後はのだめの介抱に追われ、ゆっくりユキと話すこともできずに、
出来上がった雑誌を送ってくれることを約束し、タクシーで帰宅した。
のだめは、まともに歩けない様子だった為、重たい体を引きずり、やっとの思いでベッドに寝かせた。

334 名前:16[sage]:2005/04/15(金) 11:36:21 ID:ShXVYVLb
「ふーーーーー…ったく重てーなー!」

こっちの苦労を知らずに、のだめはまたもすやすやと寝息を立て始める。
「おい、のだめ…ちゃんと着替えて寝ろよ」
「うーん…」
「おい、のだめ…」
「分かってマスから…」
「のだめ…島田って誰だ…?」
「え…?」
だるそうに、かろうじて返事するのだめに、さらに質問を繰り返す。
「島田って奴のこと…好きだったのか…?」
「洋七…?」
「違うって…高校のときのテニス部の島田だよ!」
「なんで知ってるんデスかぁ…」
「いいから答えろよ。俺よりも好きだったのか…?」
「島田君はぁ…のだめと昔ピアノ教室が一緒で…高校で再会したデスよ…
いくらご飯のこと覚えてて…ぷぷ…まだおならでソの音出せるよって披露してきたデスよ…」
「ソ…?」
「テニスなんてして、かっこ付けてたけど、学校離れるとおならで演奏しようってしつこく誘ってきて…
今頃どうしてるんデスかね…」
「も…もう分かった…。ちなみに島田君は結婚して子供が二人いるそうだ。」
「え〜?嘘デスよ〜。あんな珍奇な人が結婚できたんデスか?」
「あぁ…お前に言われたくないかもな…」

話し終わると、再びのだめは眠りに落ちていった。
俺も今日はくたびれた。
もうこのまま寝てしまおう…。

335 名前:17[sage]:2005/04/15(金) 11:39:22 ID:ShXVYVLb
数日後、約束通り送られてきた雑誌には、俺の写真が巻頭カラーで数ページに渡って
繰り広げられており、キャッチコピーは
「現代の貴公子、熱愛発覚!?」だった。

さっきから鳴っている電話は…峰だろう。
それにしても、インタビューの内容が20行くらいしか無いのはなぜだ…。
なんのPRなんだ!?

あぁ…電話の音がうるさい…
ヒルトンディナーの罠にはめやがって!

行き場の無い怒りは脳天気によろこんでいるのだめに向かうのであった。


336 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/15(金) 11:40:16 ID:ShXVYVLb
おわり

337 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/15(金) 11:51:12 ID:btidAdFz
豊臣秀吉のモノマネ笑った。GJ!

338 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/15(金) 11:56:43 ID:vzZtRORT
マッサージ椅子に座ってる豊臣秀吉、ってわけわかんねぇ!!(w
面白かったです。GJ!
新しい職人さんですよね?できたらで構わないので、HNつけてもらえると呼びやすいんですが・・・

339 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/15(金) 12:00:53 ID:5+bMuTge
GJGJ!!
洋七ハゲワラwww

340 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/15(金) 15:21:47 ID:ZF5yaxN8
GJ!
>パンツ履く暇も無いって・・・
オイオイ。

341 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/15(金) 16:21:06 ID:a4jYN/JR
GJ!
そして、星の瞳を知っている千秋・・・w
懐かしいフレーズに笑ってしまいました。
作者さん、さてはりぼんっ子でしたな?

342 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/15(金) 18:07:11 ID:UoKEsCpS
GJ!!
声にだして笑っちゃいましたよ〜!



343 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/16(土) 00:21:15 ID:DrL6yZYF
GJ!GJ!GJ!GJ!
ギャグもエロも最高ですね。
細かいネタが散りばめられていて、大笑いしましたよ。
特に豊臣秀吉がイイ!
新しい職人さん、ぜひHNをつけてくれると呼びかけやすいし、
あとでインデックスにしたときに見やすいのでつけてくれると嬉しいです。

344 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/18(月) 23:55:16 ID:LbNEgQqE
がらんがらんしてますね。ここ3日くらい。
あんな事があったから??
職人さん、誰か来てくださ〜い!

345 名前:カルメン[sage]:2005/04/19(火) 01:11:40 ID:mfmbyyzV
   × 清良 です。
読みたくない方もいると思いますので
ここから2つ分のレスを飛ばしてください。




ホテルの部屋のドアの前で、清良は、ひとつ息を飲んだ。

来てしまった・・・けど、後悔はしてないし、これからもしない。
このドアの向こうで私を待つ人に、どうしても今、会いたい。


R☆Sニューイヤーコンサートの終演直後、彼からメールが来た。
「Tホテル、1103 会いたい」

驚いたけど、同じ気持ちだったから「行きます」と返した。
真紅のドレスにコートを羽織って、急いでタクシーに乗り込んだ。


346 名前:カルメン[sage]:2005/04/19(火) 01:12:18 ID:mfmbyyzV

一年前。
「あなたと一緒にオケをやりたい。」そう、言うために。
私は長い時間迷って考え続け、意を決し、勇気をふりしぼって、
そしてやっとの思いで彼に会いに行った。・・・きっと彼にはわからない。
本当は、ただ、彼に会いたかった。つながりを作りたかっただけだったのに。

いままでも、彼は私の演奏のたびに頬を紅潮させて、素敵な笑顔を私に向けてくれていた。
いつしか、その笑顔が見たいために練習にいっそう熱が入るようになった。

けれど、女性としての私には興味なさそうな彼の素振りに、がっかりして。いらいらして。
私のキャラのせいか、男勝りな さっぱり系に見られているみたいで。
でも、噂だと、彼には大事にしたい人がいるけど会ってないし上手くいってないみたい。

この公演を最後に、しばらく共演できなくなるから。とうとう私は賭けに出た。
念入りに選んだこの真紅のドレスの下には、赤いガーターベルトを締めて。
私は今日、情熱の女、カルメンになる。


347 名前:カルメン[sage]:2005/04/19(火) 01:12:55 ID:mfmbyyzV

演奏が始まる。舞台上で彼と対峙し、彼を煽る。
タクトを振り下ろす彼は、凛々しい青年衛兵のよう。ーーー私の「ホセ」・・・。

まるでカルメンが降りて来たみたいに、熱くてせつないヴァイオリンの音に乗せて、
私は口上手く彼を口説いた。音楽で、彼を誘惑した。

そして、最後の一音が終わって、彼と目が合った瞬間に、わかった。
彼はホセのように、感情的な恋に堕ちたのだ。
演奏後の握手が、いつもと違ってぎこちない。触れた手が、ひどく熱くて。
強い力で握られた。


・・・カレはいるけど、今だけ、許して。
指揮台の彼を初めて見たときからずっと、惹かれていたの。
私を夢中にする音楽を作り出せる唯一の人に、一度でいい、抱かれたい。
その欲望を抑えきれない。



2回、ドアをノックした。

ドアが開いて、目が合った瞬間、腕を引かれて、きつくきつく抱きしめられた。
一瞬だけ見た彼の瞳は、藍色に潤み、困ったような切ないような、降参した男の瞳だった。
深くて熱いキスを合図に、恋がはじまった。

言葉は要らない。今だけでいい。感情に流されるままに。・・・抱いて。
千秋くん・・・・・。

348 名前:カルメン[sage]:2005/04/19(火) 01:13:58 ID:mfmbyyzV
終わりです。(逃)

349 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/19(火) 02:17:27 ID:6xpv2R7V
なかなか新鮮。

GJ

350 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/19(火) 18:31:01 ID:bnkm0d+P
こんなのもありですね〜GJ!



351 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/19(火) 20:23:12 ID:AzLQmWsN
GJ!!切ないです!でも好き!

352 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/19(火) 22:43:35 ID:ITzkyVtQ
個人的には千秋×のだめ以外は考えられないけど
こんなのもエロパロっぽくて面白い。
GJ!

353 名前:名無しさん@ピンキー [sage ]:2005/04/20(水) 19:14:41 ID:Ic2e+E6c
壁|´・ω・`)ノシ

Googleでアップローダーで検索
2ちゃんねるアップローダーの”おかりします”に”のだめ”のタイトルで
ファイルを置いてあります
パスは:nodame


:/up/1b3f0d7bd24f.zip

おかしな所があったらごめんなさい

354 名前:名無しさん@ピンキー [sage ]:2005/04/20(水) 19:19:38 ID:Ic2e+E6c
あげてから気が付いたけど
リレー小説がIndexからでは見れません(リンクミス

メモ帳でInde.htmlを開き、最下部にある<a href="1/SSR.html">「リレー小説」</a>
の"1/”を消してください



355 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/20(水) 21:02:22 ID:bbDZe2k8
>>354
d
無事いただきました。こうみると良作がわんさかですなw

356 名前:カルメン[sage]:2005/04/20(水) 23:09:33 ID:yPRa6K2h
|-‘) コソーリ ・・・ホッ。
"GJ"いただくと、とてもうれしいものですね。

のだめ9巻からの捏造系だったので 非難覚悟で書き逃げ失礼いたしました。
読んで頂けて幸せです。ありがとうございました。

・・・心ならずも読んでしまったちあのだ派の方々、本当にごめんなさい。

357 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/20(水) 23:30:12 ID:KNHQM21m
>353
ありがと!
楽しんでます

358 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/20(水) 23:32:14 ID:MquauifF
キヨラの気持ちわかる・・・・
シンクロして読んじゃった。ありがとう!

359 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/21(木) 13:01:12 ID:gWlPunmB
>カルメンさん
すごいね、良いよ。私好き。
色々面倒なことに目を瞑れば、こうなってしまうの、とても自然な成り行きに見える。
GJ!これからもよろしくお願いします。
あなたの着眼点と文章に起こす力、好きです。

360 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/21(木) 21:06:47 ID:lGs7SX5W
其がこの手から 零れ落ちぬよう。
涙の水面に 浮かんで儚く 消えぬよう。

「花も千歳の春やにほはむ」

風の音が 窓の外からあやしく聞こえ。
落ち着かぬ中 ふと 傍らにあるはずのぬくもりが。
掻き消えたかのように 冷たさを覚える 枕のふくらみ。
胸に湧く 得体の知れぬ 黒き渦に。
ゆらり ゆらりと巻き込まれ 明かり無き部屋にひとり立つ。
まだ肌寒き夜のためか 皮膚がざわめくように思い。
上着を羽織りて 其の足はひとりの女を捜しに進む。
廊下には ピアノの調べが響かず。
あまりの静かさに 其の女の不在を知り 外界への扉を開け。

頭上に幾千の星が 瞬く 天。
月は群雲に隠れ 辺りは暗闇に沈む。
春の暖かさに けぶる 土のにほひと うっすら浮かび上がる 白き色。
漸く闇に慣れた目を 凝らして見れば 其は桜。
ひらり ひらりと花弁舞う 其の下に。
求めて止まぬ 女の 姿。
其の手は 花が散らす命をすべて 受け止めるが如く 頭上に掲げられ。
まるで まるで――。


361 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/21(木) 21:08:34 ID:lGs7SX5W
「……先輩?」
声を掛けられ 金縛りが 解ける。
ほう と息をはき 未だいくらか感覚の戻らぬ身体を動かし。
背に伝う冷たき汗に 気付かぬふりで 其の女の許へと向かう。
「何やってる? 風邪ひくぞ」
上着を其の細き肩に 掛けてやり。
女は ふふふ と笑う。
「桜、見たくなって」
ざあ ざあと 流れる風に 散る花を 惜しみて再び手を伸ばし。
其の魂を 身体で受け止めるかの如き 女の姿に。
幻かと 疑う儚さを覚え。
つ と其の指先を 女の頬に触れさせる。

其の時 花を散らした風は 雲をも流し。
月明かりが 妨げられる事無く しずしずと 地に降り立つ。
女の身体は 其の光に 青く染められ。
指に触れた先の あまりの冷たさに 先程の不安がまたも襲い。
身体が覚える 女のぬくもりを欲して。
地を隠す程積もった花の上に 其の身を横たえ 口付ける。

362 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/21(木) 21:09:27 ID:lGs7SX5W
「夜の桜は、少し、怖いですネ」
舌を這わす首筋は 未だ其の色を得ず。
「……桜花は、昔から死者に似合うって言うしな」
手のひらに覆う乳房は 其の鼓動を弱め。
「でも、キレイ」
いつもなら其の瞼に遮られる視線は ぼんやりと宙を舞う。
其れも つかの間。
すんなりと受け入れた 其の泉が音を立て始め。
やがて漏れ出た吐息に 湿り気を帯びた温かさが宿る。
青白き身体は かの唇に 紅く染め直され。
夜の闇に ほのかに 薫る。
そして 桜は男と女を埋もれさせるよう 白き花弁を降らす。

目が覚めて。
隣を見れば 普段と変わらず 女の白き背中。
夢だったかと ひっそり 溜息をつく彼は気付かず。

彼は気付かず 彼は気付かず。
其の胸元に 一片 桜花が降りていることに。


おわり

363 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/21(木) 21:52:17 ID:OJ2EvQEi
いずこのネ申とは存じませぬが
一風変わった趣で奇妙に胸が高鳴りました。
GJで御座いました。

364 名前:名無しさん@ピンキー[]:2005/04/22(金) 02:58:55 ID:nczWW/2+
素晴らしい!GJ!

そして下がりすぎなのであげます

365 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/22(金) 10:07:20 ID:hFAvi9/k
>>364
何でいちいちageるワケ???
2ちゃんのシステム知らんなら余計なコトすんなや

366 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/22(金) 11:00:39 ID:+Un3ahY7
まぁまぁ。スレの雰囲気をこれ以上悪くするのはやめましょうよ。
>>362
おかえりなさい。

367 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/22(金) 13:26:33 ID:jFh3h3Lm
>360-362
GJ!!
不思議な雰囲気で好きだー

368 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/23(土) 21:44:02 ID:z6OqG5x/
>362
お帰りなさい。春の夜にぴったりのSSですね。GJでした。

369 名前:カルメン[sage]:2005/04/24(日) 13:33:14 ID:3bZ6WUKw
カルメンのお話を書いた者です。
レスありがとうございました。なかでも >>359 様 心底、嬉しかったです。有難うございます。

続きを書いてみたのですが。
 Chiaki × 清良 なので、、、お嫌いなかたは<絶対に>スルーをお願いします。
このあとは読まないで、さらにレス2つ分を飛ばしてください。お手数おかけします。




急くように 舌を絡め、唇を求め合って。
きつく抱かれた腕がゆるみ、唇を合わせたままでコートを脱がされた。

私を見る彼の瞳は、ぼぅっとして潤んで、熱病に冒された人の瞳を写す。
その彼の瞳に映る、私の瞳も、いま きっと同じ熱を持ってる。

キスは止まない。
誘惑したのは私だけれど、憧れていた人からくちづけされてて 頭が真っ白で、
信じられなくて現実感無くふわふわしてて、そして幸せでたまらない。
ーーーどうしよう・・・私、こんなに、彼が好きだったなんて・・・。

立ったまま、また抱きしめられて、うなじにキスを受けながら
背中のファスナーを下ろされた。肩からドレスがこぼれ落ちる。
真紅のドレスから脚を抜くと、彼は大切なものを扱う手つきで ハンガーにかけてくれた。

そして、振り返って私を見た。
私は、繊細なレース使いが美しい 真紅のブラとタンガ、ガーターベルトにストッキング。ハイヒール。
彼のせつなげな瞳。満足そうな笑みが、口元に浮かんでる。
私を魅力的だと思ってくれて、嬉しい。 あなたが好き・・・。

370 名前:カルメン[sage]:2005/04/24(日) 13:33:48 ID:3bZ6WUKw

・・・ブラの上から胸をまるくつかんで、それからちょっとブラをずらして彼は
 私の胸の先端を口に含んだ。もう片方もつまんで、さするように愛撫を。
 触れられた位置から、全身に甘い痺れが走った。

・・・紅くて小さな布の上から、熱い息を送られた。くちびるが布越しに触れている感触。
 私は潤みすぎるほどで、恥ずかしいけれど...これが今の私の気持ちだから。
 短い声を上げて、彼に伝えた。

・・・彼は、私に任せてくれた。愛しいそれを喉奥までいっぱいに含み、舌で、口内で、愛撫する。
 いままで惚れ惚れと見上げていた彼の、音楽に酔っている時の官能的な表情が、
 こんなに間近で再現されて、そのうえ艶を増している。

それから_____。
布をちょっと分けられて、彼がゆっくりと深く、私を貫き、動き始めた。
きれいな、汗。彼の匂い。熱い息。はまりごこちの良い、広い肩から厚い胸へのライン・・・

私は何度も何度も、達した。
彼が私に送り込み続ける快感に、私は酔いつぶれて。

ホセ・・・。あなたを堕とすつもりが、堕ちたのは私。
良すぎて、くるしすぎて、身体中がバラバラになって裂けていきそう。
どうか、ひとおもいに、あなたの手で。・・・私を。

そして、愛する彼の手にかかり、ーーー 私の恋は、永遠に息絶えた。



371 名前:カルメン[sage]:2005/04/24(日) 13:34:23 ID:3bZ6WUKw

松田さんに替わったR☆Sオケの練習の見学で、あれからはじめて彼に会った。

なんだか、以前とは雰囲気がちがっていて、しっかりと眼を見開いて
未来を切り開こうという気持ちが、見てとれた。

チクンと痛みを感じつつ、彼のとなりで、同じように壁にもたれて
練習を見ながら思った。

ーーー 私、思ってたよりも普通な感じで、彼と話せた・・・

彼はパリに行く。・・・彼女と。
私も、あの日の恋の亡骸を葬り去って、新しく歩もう、と 決めた。

カルメンの、熱い想いの記憶だけは、昇華して 私の音楽に溶かし込んで。


ーfinー



372 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/24(日) 14:28:44 ID:10AAG9u6
読みたくなくても見えちゃうのが、やだ

373 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/24(日) 14:39:33 ID:o7w6QgLx
GJ!!!
萌えましたー
いいね、千秋!

のだめが他の人とはいやなのに
なぜ千秋だといいんだろう

374 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/24(日) 15:01:45 ID:ThZZty62
私もそうオモタ
なぜか千秋だと、だいじょうぶ…
つか、むしろ萌える

GJ!また待ってます。

375 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/24(日) 16:27:08 ID:+KeOCBEk
GJ! カルメンさんの書く「のだめx千秋」も読んでみたいです。

376 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/24(日) 18:20:10 ID:kUPOS6Ew
すまん。
自分は千秋がのだめ以外の女と……はダメだ。
むしろのだめが千秋以外の男との方が萌える。


377 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/24(日) 19:37:04 ID:/cPqUj/p
一瞬、
千秋がのだめ以外の男と・・・
に見えてしまった。

378 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/24(日) 19:50:04 ID:DgnFjVAt
あのー、ここ、別に千秋×のだめ『だけ』って訳じゃないよね?

379 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/24(日) 20:18:06 ID:10AAG9u6
ちがうよー
ただ好みの問題
願わくば、雑誌発売日界隈は、ちあのだ以外は避けて欲しいよーな希望っす

380 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/24(日) 21:14:15 ID:nB2LCmwh
カルメン清良萌え。
Sな龍ちゃんキボン。

381 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/24(日) 22:19:12 ID:FGeobszF
最近は、千秋×のだめ欠乏症・・・。
誰か、あっまいのお願いします・・・。

382 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/24(日) 23:45:01 ID:eQWe0nw/
千秋×清良タン、萌えた。
新鮮だったよ…

今、甘いっつうかエロいの書いてます。
もう2、3日…もうすこしで終わる予定。


383 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/24(日) 23:55:57 ID:FGeobszF
382タン

お待ちしております!

384 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/25(月) 01:42:02 ID:TWLdBtHt
382さん、お待ちしています!
私も千秋×のだめで久々に激甘が読みたい……。

385 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/25(月) 09:48:51 ID:MFXkEd+u
カルメンさんGJ。
素敵でした。C×清良でもそれ以外でも、ぜひまた読みたいな。
あなたの千秋×のだめも読んで見たいけど、別にこだわらなくてOKです。

ま、あれだな。
これまでも色々あったけど、SSの内容なりスレの方向性なり、
誰だって自分の趣向と合わなければスルーできずに文句の一つも言いたくなるわけだ。
だから職人さん方、不本意なレスがつくこともあるだろうけど、
めげずに自分が良いと思うものをがんばってアップしてくださいな。

386 名前:カルメン[sage]:2005/04/25(月) 22:41:16 ID:Fccg7pXB
カルメン書きです
皆さん ありがとうございました。読んで頂けて たいへんうれしかったです。
カルメンのシーンの二人があまりにも格好良かったので 書けた物です。二ノ宮先生GJ!!

ストーリーにない無理矢理カップル話である以上、投下日には気を使った方がベスト
ということまで頭が回らなくて、今日本誌を読んで大いに納得しました。スミマセン。

また、私は切ない系アンハッピー萌え思考で、なおかつ のだめにあんまり萌えないので(...嫉妬?)
千秋×のだめは書けないです・・・。

ROMに戻って、神々の投下、心待ちにしてます!! ありがとうございました!

387 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/26(火) 02:20:12 ID:FmtVeFYn
あうぅ、欠乏症です・・・・。
神、神・・・。

388 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/26(火) 19:39:11 ID:4wYDAfty
カルメンさんは苦手な人はスルーしてと注意していたじゃないか。
こんなわがままばかりの読み手が多いんじゃ神様たちも消えていって当然。

389 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/26(火) 20:27:56 ID:8BErRVt/
同意。
ただ、ここ最近雰囲気悪いし、
厳しく指摘して、これ以上悪くしたくないというのもあります。
そっちの方が心配なので。
なんで、こんな雰囲気になったんですかね?
前は、もっと和やかだったような。

とにかく神が、書き込みやすい雰囲気を。
お互いのことを、もっと考えて行きたいものです。
意見を書くのは良いけど。
最近は、非難の意見も多いし。
でも、それなら見なければ良いだけであって、
ここに書く意味は無いですよね?
ここに書かれても何の役にも立ちませんし。
神の意欲をそぐだけだし。
まぁ、ただの荒らしならスルーだけど、
最近は、荒らしか意見か区別付かないのが多い。
一番困る。邪魔だし。
自分の日記帳じゃ無いんだから。
それこそチラシの裏にでもってやつですよ。
プラスの意見だけ書けってわけじゃないけど。

390 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/26(火) 21:08:17 ID:0gG1kq4G
意見する方も言葉を選んで欲しいなと思う。
投下してくれる人あってのパロスレです。
苦手なカポーはスクロールして見なければいいだけの事・・・

391 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/27(水) 10:03:13 ID:eEVRrc9c
まー、色々あるけどしょーがないとしか言いようがない。
以前和やかって言っても、その雰囲気が2ちゃんらしくなくてやだと書いてた香具師もいたわけだし。

とにかく自分も含めて、みんな大人の階段を一歩上ろうぜ。

392 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/28(木) 01:52:34 ID:SK0hYDSS
まあ、あれじゃない?
今度スレ立てるときの注意書きというか、箇条書きのところに、

・Kiss本誌及び新刊発売前後は原作にないカップルの作品は避ける

ていうのを入れとけばいいのでは。

職人あってのスレだから書き手も読み手も気持ちよくすごしたいね。

393 名前:sage[]:2005/04/28(木) 01:54:25 ID:tbEhBugf
というわけで。
何だか投下しにくい雰囲気になってしまいましたが

神の君臨、お待ちしております。
あなた達あってのスレですから・・・。


394 名前:393[sage]:2005/04/28(木) 01:55:39 ID:tbEhBugf
ごめん、あげちゃった・・・。
ほんとごめん・・・。

395 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/28(木) 02:03:30 ID:S8A59rFA
>>392
いや、だから、読み手が注意すればいいだけのことじゃない?
そんなに配慮が必要なんて書く気無くすわ


396 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/28(木) 08:05:19 ID:RZ/CnpqF
カップリングさえ先に明記してもらえれば投下時期まで気にしなくていいと思う
苦手なら自分でスルーは基本だし
カプが書いてなかったり表記と違う場合が一番困る
特殊状況とか異色趣味だと思われる場合も先に一言あれば有難い
せいぜいそれくらいでいいと思うけどな…
コテハンだって別になくても書き手の自由でいい

397 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/28(木) 10:56:53 ID:WROBdcCs
>396
同意。
あまり注意書き多くてもちょっとね。
読み手としても、いいじゃん別に、とか思う。
雰囲気悪くなるときはなるだろうし。



398 名前:名無しさん@ピンキー[sage]:2005/04/28(木) 20:18:52 ID:pIRDdX+a
私もカップリング名さえ書いてもらえればいい。
苦手なカップルだったら読まずにスクロールするし。

399 名前:カルメン[sage]:2005/04/29(金) 14:52:36 ID:FpkVsyt5
たびたびスミマセン。カルメン書きです。
>>382様の投下を心待ちにしながら、続きを書いてしまいました。カルメンの続きの、峰 × 清良 です。
>>380様の一言で書きたくなって。 というわけで特殊なので...前のカルメンを読んで頂いた方以外は
*スルー推奨* でお願いします。このあと3レスをとばしてくださいませ。
しつこくなってゴメンなさい。これでほんとに最後です。




俺は、彼女の様子がおかしいことに、とっくに気づいていた。
ニューイヤーコンサートの前、鬼気迫る、気合い入りまくりの猛練習・・・。
合間を見計らって俺が話しかけても、どこか うわの空。
公演用のドレスを選ぶのにも、ついて来なくていいと言った。
ーーまた、なにか悩んでんのか?


軽井沢で見たときにも「いい女だな」とは思ってたけど。
清良の弾く無伴奏ソナタを初めて聴いて感動して、思わずその場で「告白」してから
俺たちはなんとなくお互いを意識しはじめ、一緒にいる時間が増えていった。

俺は、好きな女のことはよく見てる方だから、いろいろ気づく。
同じオケの男からこっそり手紙を渡されてたな?(ラブレターか?)とか
コンクール前でナーバスになって、R☆Sの方に気持ちが入ってないな、とか
本舞台の清良、見ただけで、ん?首がおかしいのかな と思ったし



400 名前:カルメン[sage]:2005/04/29(金) 14:54:19 ID:FpkVsyt5

そんな俺が、心にぬぐいきれない思いを抱えてることを、清良はきっと知らない。
今は俺の彼女だけれど、ーーコイツはもしかしたら、千秋が好きだったんじゃないだろうか。
流れで(?)俺と付き合い始めなかったら、最初から千秋と付き合いたかったんじゃないのか。
実際、千秋めがけて桃が丘まで来たわけで。(でも、それが無かったら今こうなってないわけだけど。)
ーーR☆Sオケ初演の後、うっとりと千秋との握手を思い出してる彼女を見てしまってから、
その思いは消せなくなってしまった。

正直、千秋と勝負したら俺の方が 分が悪いことなんてわかってる。
あいつに比べたら才能ねぇし、努力も足りねぇし、頭、悪りぃし、家柄も大したことない。
けど、そんな俺は、地球上の誰よりも清良を愛してる。
惨敗したコンクールの後、さんざん酔ったあげくにホテルに誘われて、びっくりしたけど
俺は前から彼女を大事に想っていたし、大切にする自信もあったから、寝たんだ。

コンマスに高橋君を迎えて、清良をウィーンに送り出そうと考えたのだって、無い知恵 絞って。
一人で悩んでいた彼女に対して、俺にできることがないか、俺にしかしてやれないことは何か
を考えて、実行したんだ。
「龍・・・ありがと・・・」
千秋のいる前で彼女を抱きしめた事で、どっか気持ちが少しだけ軽くなってるのを感じてた。
ーーーだけど。




戻る 1- 前100 次100 最新50 動画 アダルト動画 ライブチャット